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マラソン塾

番外編 男子マラソン日本記録更新!

2018/03/03

 すでに各メディアで報道されている通り、東京マラソンで男子マラソンの日本記録が更新されました。偉業を達成したのはHONDAの設楽悠太選手。そこで今回は『なぜ東京マラソンで日本記録が生まれたのか』、その要因を私なりに考察したいと思います。

○気象コンディション
 スタート時の天候は曇りで気温は6.5度。何より風がなく、絶好のコンディション。ただし、寒さに慣れた日本人にとっては絶好のコンディションも、海外から来たケニア人選手にとっては寒く感じられたせいか、後述のペースメーカーの走りに影響しました。それが結果的に、日本記録をアシストすることになりました。

○先頭集団で走れたこと
 当初、ペースメーカーの設定タイムは、①2分54~55秒/kmの世界記録ペース、②2分58秒/kmの日本記録更新ペース、③3分00秒/kmの2時間6~7分台ペース。

 しかしいざ始まると、寒さ、そして世界記録を目指したウィルソン・キプサングの不調(16km過ぎで途中棄権)により、①のペースが上がりません。その結果、①と②が一緒になり、先頭が日本記録更新ペースで一団となりました。

 選手目線でいえば、『優勝争い』の勝負の中で走るのと、下位で『記録狙い』で走るのでは、全くメンタリティが違うものです。世界記録ペースの集団が無くなったために日本人が先頭集団で走ることができ、記録更新のチャンスが広がりました。

○記録を狙う日本人が複数いたこと
 先頭集団で勝負できたことに加え、その集団内に井上選手がいたことも大きかったと思います。外国人選手の中で1人となれば、『日本人トップだから良い』という思考になりがち。井上選手がいたことで、『負けられない』『自分も行ける』という心理に(意識的にせよ無意識にせよ)なったと考えられます。

○ペースの上げ下げに『上手く対応したこと』
 『海外選手と勝負するため、前半から積極的にいく』というコメントは設楽選手、井上選手ともにありましたが、当日の対応は少し異なりました。完全に先頭集団の中、しかも前方寄りで対応した井上選手に対し、設楽選手は序盤は第2グループで進み、12kmあたりで先頭集団と合流する形に。

 ケニア人選手の走り方として、日本人ほど几帳面でないためか、多少ペースが上下して安定しない傾向にあります。それに合わせることで『足を使ってしまう』ケースも多いですが、設楽選手は上手く対応できたと思います。

○革新的シューズ『ヴェイパーフライ4%』
 ナイキの掲げる「#厚さは速さだ」というスローガンのもと、マラソン・駅伝で圧倒的な存在感をみせているのが『ヴェイパーフライ4%』。4%というのは、パフォーマンスが4%上がるという意味でつけられています。

 昨年の福岡国際マラソンでも上位4選手がこのシューズを履いており、箱根駅伝では東洋大の活躍を支えたこのシューズ。特徴はその分厚さ。厚底シューズで足のダメージが少なくなり、終盤の追い上げに繋がったものと考えられます。

○今後の展望
 上記の通り、完璧ともいえるコンディションで出された男子マラソン日本記録。しかし今後、更なる更新も期待できます。設楽選手自身、今大会では10km過ぎで肉離れを起こし、痛みに耐えながら走った結果です。今大会、日本人2位ながら6分台で走った井上選手の巻き返しや、福岡で快走した大迫選手の今後の走りも期待できます。

 そして今週末には、早くも次の選考レース『びわ湖毎日マラソン』が開催されます。いま注目の男子マラソン、ぜひご覧いただければと思います!(私自身もNo.116で出場します。)
http://www.lakebiwa-marathon.com/

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