日税グループは、税理士先生の情報収集をお手伝いします。日税ジャーナルオンライン

MENU

税務ニュースTaxation Business News

中小企業等経営強化法 税制優遇の重複適用のチャンスも!

2016/07/22

 中小企業や小規模事業者の生産性向上を集中支援する「中小企業等経営強化法」が7月1日に施行された。

 同法を活用する場合だが、まず、国が策定した稼ぎ方のヒントや考え方をまとめた「事業分野別指針」を確認し、それを踏まえて事業者は自社の「経営力向上計画」を策定する。申請書はたったの2枚で、分かりやすい申請の手引きもあるので、ハードルはそれほど高くない。

 計画期間は3年以上5年以下で、労働生産性(営業利益、人件費、減価償却費の合計を、労働者数または労働者一人当たりの年間就業時間で割ったもの)の目標伸び率を記載する。3年の場合は1%以上、4年は1.5%以上、5年は2%以上が求められるが、業種や事業規模などを勘案して弾力的に目標を設定することが可能だ。

 すでに、計画を申請する事業主も出てきているが、「自社の現状確認をしっかりと行い、その課題に対する措置を細かく書いている事業者も少なくありません」(中小企業庁)という。

 企業が「経営力向上計画」を策定し、事業分野ごとの主務大臣から認定を受けると、新たに取得した機械や装置にかかる固定資産税の軽減措置や様々な金融支援を受けることができる。

 固定資産税の軽減措置では、経営力向上計画に基づき、生産性が年平均1%以上高まる機械や措置(160万円以上、新品、販売から10年以内のもの)を購入した場合、その機械や装置にかかる固定資産税が3年間、2分の1に軽減される。固定資産税での設備投資減税は初めてで、赤字法人でも減税の恩恵を受けられるのがポイントだ。

 ここで抑えておきたいポイントがある。中小企業等経営強化法では、中小企業への配慮から、生産性を高める機械装置として「最新モデル」の要件が除外されている。この「最新モデル」の機械や装置を購入すると、生産性向上設備投資促進税制の要件をクリアすることになり、税制優遇の重複適用が可能となるわけだ。

 ただし、生産性向上設備投資促進税制の適用期限は、平成29年3月31日までとなっており、重複適用の恩恵を受けたい事業主は、早いうちにアクションを起こしたい。

PAGE TOP