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国税庁 農業競争力強化支援法による資産評価損に関して文書回答

2017/09/26

 国税庁はこのほど、農林水産省からの照会「農業競争力強化支援法において債権放棄を伴う事業再編計画が認定された場合の資産評価損の計上に係る税務上の取扱いについて」の文書回答を公表した。

 農業競争力強化支援法は、平成29年5月に成立したもので、農業生産関連事業のうち、生産性が低いことなどにより事業再編の促進が特に必要と認められる事業分野(事業再編促進対象事業)については、事業再編計画を作成し、主務大臣の認定を受けた事業者に対して金融・税制等の支援措置を講じるもの。

 このうち、一般に比べて利益率が低く資金繰りが厳しい状況にあるなど、財務状況の悪い事業者については、事業の継続および再建を目的として債権放棄を受けることで財務状況を改善させる内容を含む事業再編計画を作成することとなる。

 債権放棄をともなう事業再編計画においては、通常、事業や施設等の抜本的な絞り込みが行われ、今後事業の用に供さない資産を処分することが想定されるが、そのような資産については、会計上、その評価損の計上が必要になる。

 他方、法人税法では、原則として資産の評価損は損金の額に算入しないが、内国法人の有する資産につき、一定の事実が生じた場合において評価換えをした場合は、例外的に評価損の計上が認められている。この一定の事実とは、物損等の事実および法的整理の事実とされ、「法的整理の事実」には、民事再生法による再生手続開始の決定があった場合や旧産活法による債権放棄を含む事業再構築計画等が認定された場合の評定が該当する。

 そこで、農林水産省では法令への当てはめとして、主務大臣という公的機関の関与を含めた一連の法的手続の下、事業者の再建を含む事業再編計画の作成において、申請者に属する一切の財産につき、評定を行うことが義務付けられており、この評定は、会社更生法等、民事再生法および旧産活法に係る評定と概ね同様に、事業者の再建の一環として公的機関の関与を含めた一連の法的手続に従って強制的に行われるものと考えられる。

 したがって、債権放棄をともなう事業再編計画の認定に伴い、計画の作成において資産評定が行われることは、法的整理の事実に該当すると考えられ、主務大臣の認定を受けた債権放棄を伴う事業再編計画の作成において資産評定が行われた場合には、法的整理の事実が生じたと認められ、資産の評価換えによる評価損の額は損金の額に算入されると解して差し支えないかを照会した。

 これに対して国税庁は、照会に係る事実関係を前提とする限り差し支えないと回答した。

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