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平成4年に定められた生産緑地の約9割が特定生産緑地に指定

2023/02/24

 国土交通省は2月14日、平成4年に定められた生産緑地の約9割が特定生産緑地に指定されたことを公表した。

 生産緑地制度は、市街化区域内の農地で、良好な生活環境の確保に効用があり、公共施設などの敷地として適している500平方メートル以上(市区町村が条例を定めれば、面積要件を300平方メートルまで引き下げることが可能)の農地を都市計画に定め、建築行為などを許可制により規制することで、都市農地の計画的な保全を図ることを目的としている。

 市街化区域農地は宅地並みに課税されるのに対し、生産緑地には軽減措置が講じられている。主たる従事者の死亡等、または指定後30年経過すると、市区町村に買取りの申し出をすることができる。市区町村が買い取らず、農林漁業希望者へのあっ旋も不調に終わった場合、行為制限が解除されるとともに税の軽減措置も終了する。

 平成4年に定められた生産緑地は、全生産緑地面積の約8割を占めているが、これらの所有者が30年経過後に買取りを申し出ても購入希望者が現れなかった場合、一斉に売却することが懸念されていた。


 そこで、平成30年に施行されたのが「特定生産緑地制度」だ。同制度は、市町村が生産緑地の所有者等の意向を基に、生産緑地を「特定生産緑地」として指定した場合、買取り申出ができる時期が「生産緑地地区の都市計画の告示日から30年経過後」から10年延期されるもの。10年経過後は、改めて所有者等の同意を得て、繰り返し10年の延長ができる。

 国土交通省では、平成4年に定められた生産緑地が30年を経過したことを踏まえ、令和4年8月から12月にかけて特定生産緑地への指定状況について調査を実施。それによると、平成4年に定められた生産緑地9273haのうち、特定生産緑地に指定されたのは全体の89.3%となる8282ha。指定されなかったのは991haで全体の10.7%だった。

 国土交通省では、「引き続き地方公共団体や農業団体等と連携し、本制度の周知に努めるなど、都市農地の保全・活用を推進してまいります」としている。

 

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