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マラソン塾

番外編 川内選手、ボストンマラソン優勝!

2018/05/02

 日本時間4月16日(月)深夜、最強の公務員ランナー川内優輝選手がボストンマラソン優勝という歴史的快挙を成し遂げました。今回はボストンマラソンで勝つことの意味、川内優輝選手が勝った要因について、お伝えしたいと思います。

<伝統のボストンマラソン>
 ボストンマラソンは毎年4月の第3月曜日に開催され、世界の6大マラソン『ワールドマラソンメジャーズ』(以下、WMM)の1つ。第1回大会が1897年に開催され、今年で第122回を迎えるオリンピックに次いで歴史のある大会です。

 そもそも、WMMとは2006年にスタートした制度で、世界の主要マラソン大会をポイント制にして年間チャンピオンを決めていきます。その対象は下記の6大会に、年により五輪や世界選手権を加えたシリーズ戦という形になっています。

○東京(2月下旬) ※2013年から追加
○ボストンマラソン(4月中旬)
○ロンドンマラソン(4月下旬)
○ベルリンマラソン(9月下旬)
○シカゴマラソン(10月上旬)
○ニューヨークシティマラソン(11月初旬)

<そうそうたる出場メンバー>
 優勝賞金15万ドルと、WMMで最高額を誇るボストンマラソンには、ケニアをはじめ世界各地から豪華メンバーが顔をそろえました。昨年のロンドン世界陸上マラソン、ボストンマラソン優勝のキルイ選手をはじめ、2時間04分~06分台の記録や五輪でのメダル経験を持つ有力選手が10名以上。
そんなメンバーの中で、自己ベストが2時間08分14秒の川内優輝選手が勝ってしまったのです。

<その価値は?>
 『瀬古利彦さん以来31年ぶりの優勝』という形で報道されますが、その価値は31年前と比較できないものだと思います。

 テニスの四大大会やゴルフの四大メジャーでの優勝に匹敵するという表現もありますが、マラソンは身体的な能力によるものが大きく、ケニアを始めとしたアフリカ勢が席巻する現状を考えればそれ以上とも。現にWMMが始まって以降、アジア人の男子選手として初めて6大マラソンを制したのが川内優輝選手なのです。

<寒さに強い川内優輝>
 ここで川内優輝というランナーについて詳しくご紹介したいのですが、内容が増えすぎてしまうので、川内優輝特集はまた別の機会に。今回は特徴の1つである、寒さに強い点について述べます。

 彼は暑さへの苦手意識がある一方、寒いのは得意という自負があります。まず筋肉量が多く、身長に対して体重が重いので、寒さに強い体型です。そして何より、過去の経験に裏付けされた自信があります。彼が飛躍するきっかけとなった2010年の東京マラソンは、天候が雨や雪、極寒のなかでしたが、自己ベストを5分以上近く更新し、2時間12分36秒でトップと17秒差の4位に。現在の自己ベスト(2時間08分14秒)も”寒い”ソウル国際マラソンで出したものであり、今年の元日には氷点下17度の中でマラソン大会(完走者1名)に出場し、2時間20分以内で走り切って話題になりました。

 気温3度、雨、風速10m以上の向かい風というボストンマラソンの過酷な気象条件は、比較的暖かな環境でトレーニングをするケニア人にとってはとりわけ厳しいものでした。一方、寒さが得意で厳しい状況での粘りを持ち味とする川内選手にとっては、(優勝を狙う意味で)『最高のコンディション』になったのでした。

 ※記事を書いているうちに、来年4月からの『プロ化宣言』をした川内選手。今後の活躍にも注目していきたいと思います。

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