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コロナ禍で苦しむ中小企業等を救う『事業再構築補助金』

2021/05/07

 事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための中小企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築に対する国の支援事業であり、いま中小企業等で最も注目される補助金のひとつです。

 その理由には、中小企業者等の通常枠の補助上限額が6,000万円であるということ、また、令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円という前年度のものづくり補助金の約10倍もの予算が計上されたことがあげられます。

 本稿では、令和3年3月26日に公表された公募要領、事業再構築指針(以下、「指針」という)および指針の手引き等から事業再構築補助金の全体像について解説します。なお、本補助金の申請にあたっては、申請者は事業計画を認定支援機関と相談の上策定しなければならないため、税理士が関与先から相談されるケースも出てくるでしょう。

1.事業再構築とは
 本補助金の支援の対象を明確化するため、中小企業庁は「事業再構築指針」を公表して事業再構築の定義等を明らかにしています。事業再構築とは、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」又は「事業再編」の5つを指し、それぞれの定義は以下のとおりです。

2.事業再構築の具体例
 中小企業庁が公表する事業再構築補助金の概要「10-5その他の活用イメージ」より事業再構築の具体例をご紹介します。


 3.本補助金の対象となる事業類型とそれぞれの申請要件
 本補助金には4つの事業類型(通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠)があります。例えば中小企業者等が通常枠で申請する場合、補助率は3分の2、補助額は最大6,000万円となります。

 
 
 上記の認定支援機関要件とは、申請者は事業再構築に係る事業計画の策定を必ず認定経営革新等支援機関と行うというものです。支援を行った認定支援機関は、事業再構築の成果目標の達成についての判断や支援計画を記載した確認書を作成し、申請者はそれを補助金申請時に添付書類として提出する必要があります。なお、補助金額が3,000万円を超える案件の場合は、さらに金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する必要があります。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、その金融機関のみでも問題ありません。


4.本補助金の対象となる経費
 補助対象となる経費は以下のとおりです。ものづくり補助金と比較すると、建物費や広告宣伝・販売促進費まで幅広く補助対象となっています。

 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、海外旅費(卒業枠、グローバルV字回復枠のみ)

 補助対象経費を実際に支出するタイミングは、原則として交付決定日以降となりますが、本補助金では、事務局に事前着手の申請を行うことにより、令和3年2月15日以降に発生した経費を補助対象とできる可能性があります。

5.申請スケジュール
 第1回公募開始は令和3年3月26日で、申請期間は4月15日から4月30日でした(応募締め切りは4月30日から5月7日まで延長されました)。
 今年度は第4回までの公募が予定されており、複数回の公募を行うことにより申請事業者の予見可能性を高め、十分な準備の上、適切なタイミングで申請・補助事業を実施することが可能となっています。なお、二次公募は5月10日頃から公募を開始し、7月上旬まで申請を受け付ける予定です。

 以上が事業再構築補助金の全体像でしたが、実際に申請又は申請の支援をされる際には必ず公募要領、指針及び指針の手引きを参照してください。
 いずれも事業再構築補助金専用サイト(https://jigyou-saikouchiku.jp/
からご覧いただくことができます。

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