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令和6年分相続税申告状況 課税割合が初の1割超え 申告税額は3兆2446億円

2026/02/16

 国税庁がさきごろ公表した令和6年分の相続税の申告状況によると、令和6年分の1年間(令和6年1月~12月)における被相続人数(亡くなった人)は160万5378人で、前年分157万6016人よりも2万9362人増えて過去最高となった。

 相続税の課税対象となった被相続人数は、前年分15万5740人より1万990人増加の16万6730人。課税割合は10.4%(前年分9.9%)となり、いずれも過去最高。課税割合は初めて1割を超えた(令和6年分は令和7年10月31日までに提出された申告書に基づき作成している)。令和6年分の課税価格の合計は23兆3846億円で、前年分21兆6335億円から1兆7511億円の増加。税額は3兆2446億円で、前年分3兆53億円から2393億円の増加となった。被相続人1人当たりの課税価額は1億4025万円(同1億3891万円)、税額は1946万円(同1930万円)だった。

 相続財産の金額の構成比を見てみると、「現金・預貯金等」34.9%、「土地」30.2%、「有価証券」17.8%、「家屋」4.8%、「その他」12.3%となっている。

 東京局管内における相続税の課税対象者は5万3379人(前年分4万9 3 5 6人)、課税割合は16.2%(同15.4%)、税額は1兆4250億円(同1兆3465億円)。

 大阪局管内の課税対象者は2万6834人(同2万5170人)、課税割合は10.5%(同10.1%)、税額は5171億円(同4881億円)。

 名古屋局管内の課税対象者は2万3684人(同2万2274人)、課税割合は13.0%(同12.5%)、税額は3689億円(同3661億円)となっている。

電話などによる簡易な接触申告漏れ非違件数は5796件

 一方、令和6事務年度における相続税の調査状況をみると、実地調査の件数は9512件(令和5事務年度8556件)、このうち申告漏れなどの非違があった件数は7826件(同7200件)で、非違割合は82.3%(同84.2%)だった。

 申告漏れ課税価格は2942億円(同2745億円)で、申告漏れ相続財産の金額の内訳は、「現金・預貯金等」837億円(同825億円)が最も多く、「有価証券」393億円(同291億円)、「土地」353億円(同333億円)と続いている。

 追徴税額(加算税109億円を含む)は824億円(同735億円)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は3093万円(同3208万円)となった。実地調査1件当たりの追徴税額は867万円(同859万円)。なお、重加算税の賦課件数は1065件(同971件)、賦課割合は13.6%(同13.5%)だった。

 国税当局では、相続税の実地調査のほか、簡易な接触(文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤りなどがある申告を是正するなどの接触)を実施している。令和6事務年度は2万1969件( 同1万8781件)に簡易な接触を行い、このうち申告漏れなどの非違および回答などがあったのは5796件(同5079件)。申告漏れ課税価格は1123億円(同954億円)、追徴税額(加算税6億円含む)は138億円(同122億円)となり、いずれも簡易な接触の事績を集計し始めた平成28事務年度以降で最高となった。

 令和6事務年度の調査に係る主な取組みとして、無申告事案を把握するために資料情報の収集・活用などの取組みを実施した結果、実地調査件数は650件(同690件)、申告漏れなどの非違件数は562件(同613件)、申告漏れ課税価格は749億円( 同752億円)、追徴税額は142億円(同123億円)で、公表を始めた平成21事務年度以降で最高となった。実地調査1件当たりの追徴税額は2187万円(同1787万円)となっている。

 国税当局では、相続税の補完税である贈与税についても積極的に資料情報を収集し、財産移転の把握に努めており、令和6事務年度における実地調査件数は2778件(同2847件)。このうち申告漏れなどの非違件数は2582件(同2630件)、申告漏れ課税価格は275億円(同264億円)、追徴税額は123億円( 同108億円)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は991万円(同926万円)、追徴税額は443万円(同380万円)だった。

【事例】相続開始前に引き出した多額の現金を相続人宅で保管し、申告から除外

 被相続人名義の預金口座から、相続開始前に多額の現金が引き出されていたことから、その使途を解明するため、調査に着手した。被相続人宅において臨宅調査を実施し、相続人らに引き出した現金の使途について聴取したところ、「寄付しており、残っていない」と回答する一方で、寄付先については答えないなど、曖昧な回答を繰り返した。そこで、被相続人宅に続き、相続人宅の現況調査を実施したところ、相続人宅の金庫内から多額の現金を発見した。

 発見した現金について説明を求めたところ、相続人らは、被相続人の生前、被相続人と共に現金を引き出した上、相続人の自宅金庫内で保管しており、申告が必要であることを認識しながら、相続人の自宅で保管しておけば税務署に容易に把握されることはないだろうという考えの下、税理士にもその存在を隠ぺいし、当該現金を除外して申告したことを認めた。

 増差課税価格は2億5千万円、追徴税額は約1億2千万円(重加算税有)。

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