遺言信託のすすめ!関与先様の円満な資産承継のために
2026/03/05
最高裁判所の統計によれば、2024年に遺産分割に関して起きている争訟は約1万5千件です。同年の死亡者数は、厚生労働省の統計によると約161万人ですから、被相続人104人に1件、全体の約1%の割合で何らかのもめごとが起きているともいえます。相続発生後の資産承継に向けたご本人の意思が示されていないと、相続人が遺産を巡って争うことにもなりかねません。
そうした事態を回避するためにも、遺言を作成し、誰に何をどれだけ遺したいかというご自身の資産承継に関する想いを明確に示すことは、ご家族が円満に遺産を受け取るうえで大切な備えとなります。
1.遺言を書いたほうが良いケース
いろいろありますが、以下のようなケースが考えられます。
どのような方が ⇒ どのようなニーズで
①お子様がいない方
⇒兄弟ではなく、配偶者に全財産を遺したい
②法定相続分と異なる承継をしたい方
⇒老後の世話をしてくれる子に厚く遺したい
③障がい者や病弱な方が相続人にいる方
⇒特別な配慮が必要な相続人に厚く遺したい
④再婚して配偶者が違うお子様がいる方
⇒先妻の子と後妻の子の間で遺産の調整をしたい
⑤事業・家業を営んでいる方
⇒後継者が円滑に事業を引き継げるようにしたい
⑥団体等への寄付を検討されている方
⇒世話になった方や支援したい団体に寄付したい
2.なぜ、遺言を書いておくべきなのか
それは、遺産分割協議が要らなくなるから、ということです。
例えば、上記の①のケースを例にとって考えてみます。A様には奥様はいますが、お子様はいません。A様の推定相続人は奥様とすでに亡くなった弟のお子様たち(甥・姪)という状況です。また残念なことにA様の奥様と弟の奥様はあまり仲が良くなく、それもあって、A様と奥様は甥・姪とは疎遠な状態にあります。

A様がすべての財産を奥様に遺したいと望んでいても、もし遺言を書かないままA様が亡くなってしまうとどうなるでしょうか。奥様は疎遠な甥・姪と連絡を取って遺産分割協議をする必要が出てしまいます。その時に甥・姪が非協力的であったりすれば、奥様に負担がかかることにもなりかねません。このような場合にA様が遺言を書く意味があると言えるのです。
3.もし、相続発生時の状況が想定と違っていたら
遺言で財産を遺そうと思った相手が、万が一遺言者よりも先に亡くなってしまうと遺言が無効にもなりかねません。そんな時のために「補充遺言(予備的遺言)」と言われるものがあります。以下、具体例でご説明します。
○遺言者である父親は、不動産の長子承継な資産承継を念頭に、不動産(1億2千万円)を長男に、金融資産を二男(6千万円)・三男(6千万円)に各々遺す、という遺言を作成しようと思っています。
○この時、もし父親より先に長男が亡くなってしまった場合、遺言自体が無効になってしまえば、孫が当然にしてその不動産を受領することにはなりません。長男分については、長男の代襲者である孫と二男・三男による遺産分割協議に委ねられることになります。

○ここで二男・三男が不動産について持ち分で孫6分の4(8千万円)・二男6分の1(2千万円)・三男6分の1(2千万円)とし、結果として全員が全財産を均等な割合で承継することを主張すれば、当初父親が思っていたような資産承継にはなりません。
○そこで、父親が遺言に「自分より先に長男が死亡していた場合には不動産は孫に承継させる」という補充遺言を記載しておく意味が出てくることになります。
4.遺言信託を活用する意味
遺言信託とは、①遺言作成のサポート、②遺言書の保管、③相続発生時の遺言執行(遺言内容の実現)という一連の商品・サービスを指しています。遺言信託を活用すると、一定の費用はかかりますが、次のようなメリットがあります。
①遺言作成のサポート
関与先様の資産承継への想いを明確にして、それを補充遺言も含めた形で納得のいくることも大事かと思います。
②遺言執行
まず、遺言執行者が例えばお知り合いの士業の先生というような場合、遺言者と遺言執行者が同じように年齢を重ねていき、いざ相続が発生した場合に、遺言執行者不在または就職が困難なことも考えられます。その点、信託会社等が提供する遺言信託であれば、法人が遺言執行者ですので、このような事態となるリスクを低減することが可能です。
また、金銭や不動産について遺言執行者を相続人の方などにすると、複数の金融機関を相手に口座を解約して金銭を遺言に沿って相続人に配分したり、不動産の名義変更手続きを司法書士との間で進めるといった負荷がかかります。遺言信託を利用することで、これらの負担をアウトソースすることができます。
③戸籍等の代行取得
最近は戸籍の広域交付制度により、配偶者や直系の尊属・卑属の戸籍は取りやすくなりましたが、兄弟の戸籍など、必要な戸籍を追いかけながら取得するのはかなり手間がかかるものです。信託会社等が有料で代行取得してくれることもありますので、それも利用する価値はあると思います。特に日税信託においては、遺言作成時のサポート手数料30万円(税抜)、遺言執行手数料60万円(税抜)と、一般的に多い相続財産額に手数料率を乗じる体系ではなく、基本的には固定報酬で対応しておりますので、かなりリーズナブルにご利用いただけます。(※)
※相続発生時にご連絡が必要な相続人数や解約対応の金融機関等の数といった、日税信託の事務工数に応じた加算等はありますので、詳しくは担当者にお問合せください。
日税グループの遺言・信託サービス
「想い」と「財産」を確かな形で未来に託す
日税グループの㈱日税信託は、管理型信託会社として約20年にわたり、お客さまのニーズに寄り添った信託提案と、受託者としての堅実・確実な財産管理の実績を積み重ねてきました。また、遺言や信託のご相談では、日税グループの保険会社や不動産会社と連携した相続コンサルティングもご提供しております。
こうした「One日税」の総合力を活かし、税理士先生および関与先様にとってベストなご提案をさせていただきます。