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マラソン塾

Vol.11 自分のカラダと対話を繰り返す

2017/06/29

 今回のテーマは「自分の身体と対話を繰り返す」。こちらは私の著書「〈東大式〉マラソン最速メソッド」(SB新書)でもポイントとして記載しているテーマです。

 これまでポイント練習の解説を行い、具体的な練習方法についてお伝えいたしましたが、それはあくまで「引き出し」です。本日はそうして得た「引き出し」を正しく選ぶために、重要となる考え方や習慣についてお伝えできればと思います。


1.ポイント練習において
 ランナーはまじめな方が多く、事前に決めた練習メニューの「走行距離」や「設定ペース」をクリアすることを至上命題のように頑張ったり、仮にできないときも分割して参加したりする事が多いのではないでしょうか。しかし必ずしも、全力で頑張ることが正しいとは限りません。自分のカラダと対話を繰り返し、セルフマネジメントを十分に行うことが重要になります。


 まず負荷を掛けるポイント練習の場合です。これまでお伝えした通り、設定する距離やペースによって練習の効果は大きく異なりますが、正しい設定を行うためには自分の状態を見極めることが重要です。

 例えば「今日はペース走」と決めて練習するとき。走る前には「1km5分で10km」と決めても、詳細はウォーミングアップをしながら自分のカラダと対話を行い、疲労感や固さ、違和感などがないか、確かめながら設定に微調整を加えていきます。調子が良ければ「少し速めて4分50秒/km」、逆にきつそうであれば「5分00秒/kmで8kmまで」と柔軟にペースや距離を変えていきます。

 実際に走っている場面においても、自分のカラダや走りに意識を向けます。走行中のペースに乱れはないか、股関節や足首周りは固くないか、姿勢は悪くないかなど、チェックポイントは多いもの。そうして対話を繰り返しながら、走り方を変えていくことで、そのときのポイント練習を効果的なものにしていきます。また走りながら対話をして得た気付きを、セルフケアや次回以降の練習に繋げ、改善していくのです。

2.つなぎの練習やケアにおいて
 「自分のカラダとの対話」はポイント練習の時のみに限った話ではなく、むしろつなぎのジョグやケアのときこそ意識してほしい内容です。つなぎのジョグは、ポイント練習の時のように心拍数を上げてペースを気にしながら走ることもなく、時間や距離、ペースなどを自由に変えてリラックスしてできるもの。その分、自分のカラダに意識が向けやすいかと思います。自分のカラダの疲れ具合をみながら、目標とする試合や次の練習に向けてコンディションを上げるためにどうするか。キレがないので100mダッシュを数本入れたり、逆に土や芝など路面の柔らかいコースを選んでペースを落として疲労回復に努めたり、状況に応じて走り方を変えていきます。

 ケアについても、マッサージや治療に通うことも良いですが、セルフケアで解決することが一番だと思います。足や肩など自分で触りながら固いところはないか、走った時の感覚も思い出しながら不調を見つけ、ストレッチやマッサージでほぐしていきます。慣れないうちは要領がわからないかもしれませんが、日々の習慣にすることで自分のカラダの癖などが分かり、怪我や不調に早めに対処することが可能になります。

3.さいごに
 マラソンで成長する方法に唯一の正解はありません。自分の頭で考えて仮説と検証を繰り返しながら、自分に合った練習法やケアについて模索し続けるのです。そうして試行錯誤していくことがランナーとしての成長を促してくれますし、ひいては仕事や人生全般においても大いに役立ってくると思います。

 

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