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売買された社会福祉法人

2017/11/20

 社会福祉法人の理事は、平成29年4月1日から評議員会で選任されるようになりました。これは、社会福祉法人改革の一つの成果といえるでしょう。というのも、改革が行われるまでは、社会福祉法人の理事は、理事長あるいは理事によって選任することができる制度になっていたからです。
 
 つまり、社会福祉法人を設立するときに定款で定めて最初の理事になり、理事の互選によって理事長になれば、自ら理事長を退かない限り終身にわたって理事長の地位に居座ることができる制度になっていたのです。この理事長の地位は、その社会福祉法人に対する絶対的な支配を保証するものになっていました。そしてその理事長から次の理事長としてバトンタッチを受けた者は、同じ地位を受け継ぐこととなりました。そのことが社会福祉法人の「世襲」や「売買」を可能にしていたのです。

 社会福祉法人の9割近くを占める施設経営法人の内部留保額は平均で3億円に上るといいます。これらの社会福祉法人の中には数十億円以上の内部留保額を有する法人も稀ではありません。誰もが知るように、会社の場合、内部留保は株価に反映され、相続税の洗礼を受けることになります。そこへ行くと、社会福祉法人はいくら内部留保があろうとも相続税が課税されることはありません。そのため、莫大な内部留保を有する社会福祉法人が創業者の親から子へ、またその親族へと承継され、社会福祉法人がそれこそ創業者一族の“非課税相続貯金箱”に使われながら、次第に巨大な社会福祉法人グループが形成されるようなことが公然と行われていました。

 また、大阪府阪南市で老人ホームを経営する社会福祉法人の理事長職が約1億6千万円で、元理事長から阪南市議の男性に譲渡されていたことがわかり、大きく報道されたのは2014年6月のことでした。阪南市によると、この社会福祉法人は2000年に設立され、大阪府から2000年度中に約4億円が交付され、以後も毎年3千万円の補助金を受けていました。市議は、理事長職を譲り受けるため、個人資産から資金を捻出し、仲介者を通じて2009年から2010年にかけ2回に分けて1億6千万円を支払い、2011年に理事長に就任しました。市議は、金を払ったのは事実で、浅はかだったと述べつつも、理事長職は続けると言明しているそうです。社会福祉法人改革前の話とはいえ、何ともあきれた話ではありませんか。

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