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トラブルは現場で起きている!

虐待事件の障害者福祉施設が、今度は不正受給

2018/12/25

 社会福祉法人改革が叫ばれて久しいですが、社会福祉法人の平均経常利益率は、2016年度で3.8%だとする民間の調査結果が公表されています。同年度の社会医療法人の平均経常利益率は1.9%で、「福祉は医療より儲かる」という関係者の声を裏付ける結果となっているそうです。

 社会福祉法人の中でも利益率の高さで目立つのは、障害者福祉の分野です。障害者福祉専業の平均経常利益率は、2010年ごろは9%前後の高水準でしたが、近年はそれでも適正化が進んで2016年度は5.8%となっています。といっても、中には障害者福祉事業の収益が7億円を超え、毎期20%の利益を出し続けて、14億円を有価証券に投資している社会福法人があるそうですから驚きます。社会福祉法人などの非営利法人だけでなく、株式会社などの営利法人も参入し、両者入り乱れて補助金目的の障害者ビジネスが横行しているといわれる背景には、そうした高収益構造があったのです。

 そんな中、またまた障害者福祉事業を行う社会福祉法人の不正受給が明らかとなりました。2018年12月14日の新聞報道によると、栃木県で障害者福祉サービスを展開し、毎期9億円以上の収益を上げている社会福祉法人瑞宝会が約4500万円の介護給付費を不正受給していたというのです。

 瑞宝会は栃木県内で8か所の障害者福祉施設を運営していますが、2017年9月13日には、入所者に対する虐待問題で二人の職員が逮捕され、大きなニュースになったばかりでした。事件があったのは、宇都宮市の瑞宝会の知的障害者支援施設で、入所者の男性(28)が、二十代の男女二人の職員から暴行を受け、腹腔内出血や腰椎骨折など6か月の大けがを負わされたのです。二人の職員の一人は、女子柔道の優勝経験がある実力者でした。

 瑞宝会は、「自然治癒力の向上と自然との共生」を運営方針として掲げていますが、何に使われるのかわからないヘリコプターや猪苗代湖に浮かぶクルーザーまで所有していることには、さすがに疑問の声が上がっているようです。

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