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スキルアップ税務

社長貸付金・社長借入金消去の税務 ~証拠の論点も踏まえて~⑱

2023/12/27

2)

(1)経営指導料
・契約書
・役務提供の対価の算定→複数の〇〇コンサルタントの見積りが必要です。
・経営会議議事録等のエビデンス→複数の〇〇コンサルタントの成果物サンプルが必要。仮に当該法人で過去に依頼したことがあれば当時の成果物等々を真似て作成することになります。

 経営指導は純然たる第三者である〇〇コンサルタントに依頼するのが本来のはずです。その〇〇コンサルタントは成果物、工程表、実績報告書等々さまざまな資料を用意し提案するはずです。それらすべてを用意する必要があります。仮に依頼したことがなく、当該資料の現物がわからない、ということであれば複数のコンサルタントに見積りをとらせて、そういった資料サンプルを入手し、それを真似ればよいです。

重要情報1
〇寄附金/ノーハウの帰属とロイヤリティの支払における対価性の有無
東京地方裁判所平成15年(行ウ)第553号法人税更正処分等取消請求事件(平成17年7月21日判決)(TAINSコードZ255-10086)(一部抜粋)

ウ 経営指導

a Dは、Aグループに対し、販売施策等の営業面や、木造注文住宅の施工やアフターサービスにおける技術面について、経営指導を行っている。
b 例えば、Aグループが平成8年3月にnと称する新商品を発売した際には、Dは、Aグループに対し、他社との差別化を図るために、通常の住宅展示場から遠く離れた場所にあるAグループの工場内等(すなわち、競合他社がその住宅展示場を見ることができない場所)にモデルハウスを建設し、通常の住宅展示場を訪れた顧客を更に遠く離れたAグループのモデルハウスへ誘導するという新しい営業方法を企画、提案するとともに、発売から一定期間は、モニターとして坪単価を従来のタイプと同額で販売するキャンペーンを企画、提案(※下線筆者)した。

 また、Dは、Aグループに対し、販売促進策の一環として、購入を検討している顧客に対してスケールモデル(住宅の縮尺模型)を無償で作成・配布する施策を提案した。これにより、戸建住宅メーカーでは、Aグループが最初に、本格的にスケールモデルを導入することとなった。

 次に、Dは、Aグループに対し、販売促進策の一環として、シールカタログ(住宅設備機器等が粘着シールになっており、顧客が自由に住宅の仕様を抽出できるカタログ)を顧客に無償で配布する施策を提案(※下線筆者)した。

 これは、Aグループにおいて、販促ツールとして顧客のニーズを正確に把握する手段として活用された。

 さらに、Dは、Aグループに対し、上記イのPとの共同開発による免震住宅を発売するに際し、低価格を設定して普及に努める施策を決定して、指導を行った(※下線筆者)(甲56)。

エ 標準仕様、価格設定等

 証拠(甲56)及び弁論の全趣旨によれば、DはAグループに対し、住宅全体の標準仕様や価格設定、オプションメニュー及び価格設定、モデルハウス(住宅展示場)の企画・設計について、指導、助言を行っている(※下線筆者)ことが認められる。

(2)ロイヤリティ、ブランド使用料
 原則として中小企業では利用できません。親会社(持株会社、関連会社含む)にブランド力がないのが通常だからです。仮にこれを採用する場合、疎明資料は経営指導料等とほぼ同じになります。

・契約書
・役務提供の対価の算定=ロイヤリティ率、ブランド使用料→複数の〇〇コンサルタントの見積りが必要です。
・経営会議議事録等のエビデンス
・国外関連会社に支払ったロイヤリティの対価性を認め、寄付金に該当しないとした事例(一条工務店事件)

 納税者(原告)は、木造注文住宅の販売及び施工を行う法人で、全国各地の法人とフランチャイズ契約を締結していました(以下、納税者とフランチャイズ各社を併せ「Aグループ」といいます。)。国外関連会社(D社)の設立以降、Aグループは、D社に対し、契約書等に基づきロイヤリティを支払っていました。課税庁は、上記契約書は実態を伴わない仮装のものであり、納税者からD社への支払いは対価性がなく、寄附金と認定するとともに、フランチャイズ各社からD社への支払いは納税者の売上と認定して、法人税等の更正処分等を行いました。本件は、納税者がその取消しを求めた事案です。

 地裁は、D社の事業内容等を詳細に検討し、D社の事業の実態は、シンガポール国内向けの室内改装事業や納税者の東南アジアにおける生産拠点の管理にとどまるものではなく、木造注文住宅の販売及び施工に関するノウハウを有し、これをAグループに提供しているものと認められると判断し、D社に支払われたロイヤリティの対価性を認め、寄付金と認定した課税庁の処分を取り消しました。

 本件は、課税庁が控訴しましたが、棄却され確定しています。

(判示一部抜粋)

c 以上のことからすれば、Dの事業の実態は、シンガポール国内向けの室内改装事業や原告の東南アジアにおける生産拠点の管理にとどまるものではないというべきであり、「研究開発」の意義をどのように解するか、そして、Dのどこまでの社員が研究開発に従事し、どこまでの経費が研究開発のための費用というべきものであるかはともかくとして、Dは木造注文住宅の販売及び施工に関するノウハウを有し、これをAグループに提供している(オリジナル商品の開発についていえば、Dの有するノウハウは、商品に結実して、Aグループに提供されている。)(※下線筆者)ものと認めることができる。
 
b また、DからAグループに提供されるのはオリジナル商品ばかりでなく、上記(2)ウ及びエのとおり、経営指導や標準仕様の決定等についての助言なども存する(※下線筆者)が、これらについて、Dがその都度Aグループ各社からその対価を受けとっていることを認めるに足りる証拠はなく、また、これらの対価がオリジナル商品の代金に含まれていることを認めるに足りる証拠もない。そうであるとすれば、Dとしては、Aグループに対して販売した商品代金とは別に、上記経営指導等についての対価の支払を受ける理由が存するものというべきである。

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