事業承継税制 中小企業庁の検討会が見直しの方向性を示す
2026/08/26
中小企業庁が令和7年6月に設置した『中小企業の親族内承継に関する検討会』は8月5日、第6回の会議を開催。その中で、親族内承継に係る施策の方向性などが示された。

報告書案によると、今後、人口減少による労働供給制約社会が進展する中でも、中小企業・小規模事業者が「稼ぐ力」を強化し成長を続けていくためには、経営革新による対応が不可欠とした。事業承継についても、こうした観点から政策的な支援を講じ、中小企業の自律的な成長や地域社会の持続的な発展につなげていく必要があると指摘した。
事業承継税制については、特例措置の創設により事業承継の促進や雇用維持等に一定の効果が確認された一方で、潜在的な利用者層との比較では活用が十分とは言えず、制度利用を阻害する要因への対応を課題に挙げた。その上で、事業承継税制の在り方について、次のような方向性を打ち出した。
・今後の見直しに当たっては、議決権株式の分散防止による安定的な事業継続の確保という制度趣旨を維持しつつ、人口減少、人手不足、生産性向上や地域経済の維持といった環境変化を踏まえる必要がある。
・猶予対象株式数や猶予割合については、企業ごとの実情に応じた柔軟な承継を可能としつつ、早期の贈与による事業承継を促進する観点から、その在り方を検討していくことが重要。
・また、長期にわたる納税猶予が投資や賃上げ等の企業行動に影響を与える可能性を踏まえ、成長投資や賃上げ、地域貢献等を実施する中小企業に対して、猶予税額の免除等を検討してはどうか。
・さらに、雇用確保要件や手続負担の見直し、ガバナンス・透明性の確保、海外子会社の取扱い等の論点について検討を進め、特例措置の単純延長ではない、時代に即した制度への再構築を図ることが必要。
中小企業の親族内承継に関する検討会の第6回会議資料はこちら。