「こどもNISA」がスタート! 0歳から始める資産形成
2026/06/16
令和8年度税制改正では、「こどもNISA」の創設が盛り込まれました。これは事実上、NISAの年齢制限を撤廃するもので、現在は18歳以上でなければ利用できませんが、今後は0歳から利用できるようになります。
■「こどもNISA」とは
こどもNISA」の正式名称は「未成年者特定累積投資勘定」です。長期・安定的な投資を通じて、大学進学や成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えるために設けられる制度です。
■「こどもNISA」の特徴
・令和9年(2027年)から改正
・対象者は18歳未満(1月1日で判定)
・つみたて投資枠のみ使える(一括投資枠は使えないためコツコツ投資する)
・非課税枠は年間投資60万円、非課税保有限度額600万円まで(月5万円・毎年60万円投資すると、10年で非課税枠を使い切る)
・非課税での払出しには制限がある。12歳になるまでは原則引き出せない(こどもが12歳までは災害、疾病、その他やむを得ず
全て払い出す場合、12歳以降は証券会社等に教育費または生活費に用いる書類と、こどもの同意書を添付した場合)
・18歳になると「つみたて投資枠」に自動移行(「こどもNISA」は17歳まで使える)
■税メリットで早めに資金を確保
実際の運用実績で異なりますが、例えば月2万円を15年間、年率3%で積立運用した場合、元利合計は約450万円となります。月3万円なら約680万円、月5万円なら約1130万円になります。運用益が非課税になる税メリットで、その分、預金よりも必要資金を効率的に形成することができます。
■贈与は「きちんと贈与する」
贈与を行う際は、形式だけでなく実態を伴うことが重要です。適切に行わないと、思わぬ課税が生じることがあります。
贈与したと思っていても、贈与した親や祖父母がいつでも資金を自由に使えるような形だけの贈与であると、親や祖父母の名義預金として相続税がかかることがあります。

「こどもNISA」の年間非課税枠は60万円です。そのため、他の贈与がなければ110万円の基礎控除内でおさまるので贈与税はかかりません。ただし、定期贈与とみなされると高額な贈与税がかかる場合があります。例えば、祖父母から毎年誕生日に60万円ずつ10年間あげるという場合には、60万円×10年=600万円の定期贈与契約をしたとみなされ、600万円について約80万円の贈与税がかかることがあります。
贈与は、「あげます・もらいます」で成立します。口頭でも成立しますが、お互い贈与であるという明確な意思表示を記録に残すためにも、贈与の都度、贈与契約書を作成し、振込履歴を残しておくことが重要です。未成年者の場合、親権者の署名などが必要になります。
■相続税にも注意
「こどもNISA」を活用する場合は、贈与税だけでなく相続税にも注意が必要です。こどもは通常まだ収入がないため、親や祖父母からの資金をもとに「こどもNISA」の非課税枠を使うことになるでしょう。ただし、年間110万円以内の贈与で贈与税がかからない場合でも、生前贈与加算で相続開始前3年~7年以内の贈与は贈与した親や祖父母の相続財産に加算されることがあります。
また、贈与税の課税方法には暦年課税と相続時精算課税があります。暦年課税は年間110万円まで贈与税がかかりませんが、相続時精算課税には年間110万円の基礎控除のほかに2500万円の特別控除があります。どちらを選択するかは事前に慎重な検討が必要です。
解説/中島典子 税理士