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従業員に給付した職場つみたてNISAの奨励金の賃上げ促進税制の取扱いで文書回答

2023/04/11

 国税庁はこのほど、「従業員に対して職場つみたてNISAの奨励金を給付した場合の賃上げ促進税制(租税特別措置法第10条の5の4又は第42条の12の5)の取扱いについて」の文書回答を国税庁のホームページで公表した。これは金融庁が事前照会したもの。

 職場つみたてNISAとは、職場を通じてNISA(少額投資非課税制度)を利用した資産形成ができるように事業主等が利用者を支援する、福利厚生の増進を図ることを目的とした制度。その利用者は、事業主等が契約したNISA取扱業者が選定する金融商品の中から投資の対象とするものを選択して投資する。

 そして、事業主等は、職場つみたてNISAを利用する従業員に対し、福利厚生の一環として奨励金を給付する場合があり、その場合、事業主等は、従業員に対して支給する給与の額からNISAの積立金相当額を天引きするとともに、当該積立金相当額に奨励金を加えた金額を従業員のNISA口座に振り込む方法により奨励金を給付する。

 また、このような給与天引き方式以外の方法として、事業主等は、従業員の給与と本件奨励金とを合算して従業員に支払い、従業員各自の預貯金口座等からNISAの積立金相当額に本件奨励金を加えた金額が従業員のNISA口座へ振り替えられる方法(口座振替方式)もある。

 事業主等は、本件奨励金を給付した場合、会計上、福利厚生費など給与等以外の科目で費用計上している場合がある。このように給与等以外の費用として経理されている場合であっても事業主等が従業員に給付する本件奨励金は、給与等の支給額が増加した場合の所得税額または法人税額の特別控除(賃上げ促進税制)の対象となる「給与等」に該当するかどうかが気になるところ。

 
 そこで、金融庁は本件奨励金について、給与天引き方式または口座振替方式のいずれの方式によるものであっても所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当するところ、賃上げ促進税制においては、「給与等」について、会計上どのような科目で費用計上するかは特に限定されていないため、事業主等が本件奨励金を給与等以外の費用である「福利厚生費」として費用計上していたとしても、本件奨励金は賃上げ促進税制の対象となる「給与等」に該当すると考え、事前照会を行ったところ、国税庁は「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」と回答している。

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