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相続税の調査状況 1件当たりの申告漏れ課税価格は2517万円

2016/11/15

 国税庁はこのほど、「平成27事務年度における相続税の調査の状況」を公表した。それによると、平成27事務年度(平成27年7月~平成28年6月)の相続税の実地調査は、平成25年に発生した相続を中心に行われ、その件数は1万1935件(平成26事務年度1万2406件)。このうち申告漏れ等の非違があった件数は9761件(同1万151件)で、非違割合は81.8%(同81.8%)だった。

 申告漏れ課税価格は3004億円(同3296億円)で、実地調査1件当たり2517万円(同2657万円)。申告漏れ相続財産の内訳を見ると、現金・預貯金等が最も多く1036億円(同1158億円)。次いで、土地410億円(同414億円)、有価証券364億円(同490億円)家屋64億円(同54億円)と続いており、その他が1071億円(同1125億円)となった。

 加算税を含んだ追徴税額は583億円(同670億円)で、実地調査1件当たりで見ると489万円(同540万円)。重加算税の賦課件数は1,250件(同1,258件)、賦課割合は12.8%(同12.4%)だった。

 相続税の無申告事案に対する実地調査は863件(同868件)、申告漏れ等の非違件数は655件(同661件)、申告漏れ課税価格は824億円(同876億円)、実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は9543万円(同1億88万円)だった。加算税を含んだ追徴税額は53億円(同72億円)にのぼっている。

 当局では、納税者の資産運用の国際化を受けて、相続税調査においても海外資産の把握に努めている。平成27事務年度における海外資産関連事案に係る実地調査は859件(同847件)。このうち申告漏れ等の非違件数は117件(同112件)、申告漏れ課税価格は47億円(同45億円)、非違1件当たりの申告漏れ課税価格は3999万円(同4034万円)となった。

 なお、相続税の補完税である贈与税の実地調査は3612件(同3949件)行われている。申告漏れ等の非違件数は3350件(同3616件)で、このうち無申告だったものは84.3%を占めた。申告漏れ課税価格は195億円(同176億円)、追徴税額は49億円(同49億円)、実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は540万円(同447万円)、追徴税額は136万円(同124万円)だった。

 「平成27事務年度における相続税の調査の状況について」はこちら

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