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事業再構築の指針と具体例を載せた手引きを公表

2021/03/22

 中小企業庁は、3月17日に制定した「事業再構築指針」ならびに指針の手引きを同庁ホームページに公表した。

 同指針は、事業再構築補助金の支援の対象を明確化するため、「事業再構築」の定義等について明らかにしたもの。それによると、「事業再構築」とは、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」「事業再編」の5つを指し、事業に申請するためには、これら5つのうち、いずれかの類型に該当する事業計画を認定支援機関と策定することが必要となる。

 その中で、例えば、新分野展開の定義としては、以下のいずれにも該当する場合が該当するとしている。

①事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品もしくはサービスが、新規性を有するものであること。
②事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品または提供する商品もしくはサービスの属する市場が、新規性を有するものであること。
③事業計画期間終了後、新たに製造する製品または新たに提供する商品もしくはサービスの売上高が、総売上高の十分の一以上を占めることが見込まれるものであること。

 一方、指針では新分野展開に該当しない9つの例を挙げており、①から⑦までのいずれかに該当する場合は、製品または商品、サービスの新規性を有しないことから新分野展開に該当しない。また、⑧と⑨に該当する場合は、市場の新規性を有しないことから新分野展開に該当しないとしている。

①既存の製品の製造量又は既存の商品若しくはサービスの提供量を増大させる場合
②過去に製造していた製品または過去に提供していた商品もしくはサービスを再製造または再提供する場合
③既存の製品または既存の商品もしくはサービスに容易な改変を加えた新製品または新商品もしくは新サービスを製造または提供する場合
④既存の製品または既存の商品もしくはサービスを単に組み合わせて新製品または新商品もしくは新サービスを製造または提供する場合
⑤既存の製品の製造または既存の商品もしくはサービスの提供に必要な主な設備、装置、プログラム(データを含む)または施設(以下「設備等」)が、新たな製品の製造または新たな商品もしくはサービスの提供に必要な主な設備等と変わらない場合
⑥事業を行う中小企業等と競合する事業者の大多数が製造または提供する製品または商品もしくはサービスを新たに製造または提供する場合
⑦製品または商品もしくはサービスの性能が定量的に計測できる場合であって、既存の製品または既存の商品もしくはサービスと新製品または新商品もしくは新サービスとの間でその性能が有意に異なるとは認められない場合
⑧既存の製品または既存の商品もしくはサービスとは別の製品または別の商品もしくはサービスだが、対象とする市場が同一である場合(具体的には、既存の製品または既存の商品もしくはサービスの需要が、新製品または新商品もしくは新サービスの需要で代替される場合)
⑨既存の製品または既存の商品もしくはサービスの市場の一部のみを対象とするものである場合

 なお、同指針の手引きには、新分野展開のほかにも事業転換や業種展開に該当する具体例を分かりやすく解説しているので確認しておきたい。

 ●事業再構築指針はこちら  ●事業再構築指針の手引きはこちら

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