令和6年分所得税等の確定申告 納税者本人によるe-Taxは824万人 相続時精算課税の適用者が59%増
2025/09/05
国税庁はこのほど、「令和6年分の確定申告状況等」を公表した。それによると、令和6年分の所得税等の確定申告書を提出した人は2338万9千人(前年比0.6%増)。このうち申告納税額がある人は517万5千人( 同22.6%減)、その所得金額は51兆1604億円(同3.2%増)、申告納税額は4兆3989億円(同8.6%増)だった。

確定申告書を提出した人のうち、土地等の譲渡所得(総合譲渡を含む)の申告者は57万8千人(同4.3%増)。そのうち所得金額がある人は38万8千人( 同3.4%増)、その所得金額は6兆4993億円(同6.8%増)となり、前年分からいずれも増加した。一方、株式等の譲渡所得の申告者は118万2千人( 同2.3%増)。そのうち所得金額がある人は73万5千人(同13.4%増)、所得金額は8兆854億円(同42.7%増)となり、こちらも前年分からいずれも増加している。
令和5年10月からインボイス制度が導入され、制度導入後2回目となる令和6年分の個人事業者の消費税の確定申告においては、申告件数は212万件(同7.5%増)と前年分から14万8千件増加した。また、申告納税額についても8004億円(同16.8%増)となっており、前年分から1154億円増加した。
贈与税の申告書の提出者は47万4千人(同7.0%減)。そのうち申告納税額がある人は33万3千人(同11.4%減)、申告納税額は3935億円(同10.9%増)だった。前年分と比較して申告人員と納税人員は減少し、申告納税額が増加した。
贈与税の課税方法として、暦年課税を適用した人は39万7千人(同14.0%減)で、申告納税額は3274億円(同9.7%増)。相続時精算課税を適用した人は7万8千人(同59.2%増)、申告納税額は661億円(同17.5%増)となった。
なお、国税庁HP『確定申告書等作成コーナー』や各種会計ソフトを利用して自宅等からe-Taxで申告書を提出した人は1328万7千人で、令和5年分から146万4千人の増加となった。納税者本人による送信は、令和5年分から133万7千人増加の824万2千人。前年度からの伸び率を見ても、納税者によるe-Taxがスタンダードになってきたことがうかがえる。このうち、スマートフォン(スマホ)を使ってe-Taxで申告した人は407万8千人で、前年分から91万6千人の増加。自宅からe-Taxで申告した納税者のうち約半数がスマホを使って申告しており、スマホ申告の利用が加速している。
自宅からe-Taxで申告書を提出した納税者のうち、マイナンバーカード方式を利用した人は640万人(約8割)で、令和2年分の約5倍に増えた。