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令和5年分の確定申告状況 免税事業者105万人がインボイス発行事業者に

2024/08/07

 国税庁はこのほど、令和5年分の所得税等、消費税の確定申告状況を公表した。令和5年10月からインボイス制度が導入されたことを受け、令和5年分の個人事業者の消費税の申告件数は、前年分から91万7千件増えて197万2千件(前年比86.9%)となった。免税事業者からインボイス発行事業者になった人は104万8千人だった。

 令和5年分の所得税等の確定申告書を提出した人は2324万3千人(前年比1.3%増)。そのうち申告納税額がある人は668万7千人(同2.3%増)、その所得金額は49兆5574億円(同7.0%増)、申告納税額は4兆4 9 9 億円( 同10.0%増)といずれも増加した。

 確定申告書を提出した人のうち、土地等の譲渡所得(総合譲渡を含む)の申告者は55万5千人(同0.5%増)だった。そのうち所得金額がある人は37万5千人(同0.8%増)で、その所得金額は6兆832億円(同11.8%増)となり、前年分からいずれも増加した。

 また、株式等の譲渡所得の申告者は115万5千人(同6.7%増)。そのうち所得金額がある人は64万8千人(同32.6%増)、その所得金額は5兆6641億円(同39.4%増)となり、前年分と比較して所得金額がある人と所得金額が大きく増加した。

2割特例の適用者は84%の73万4千人

 令和5年分は、インボイス制度が導入されて初めての確定申告となったが、個人事業者の消費税の申告件数は197万2千件(同86.9%増)となり、前年分から91万7千件の増加となった。また、申告納税額も6850億円(同9.1%増)と増加した。

 令和5年中にインボイス発行事業者になった人は197万6千人で、そのうち期限内申告者数は174万4千人だった。インボイス発行事業者の登録者の中には、令和5年中に申告すべき取引などがなく、消費税の申告義務がない人も含まれているが、インボイス発行事業者のうち消費税の申告義務が基本的にあると考えられる人の申告状況を見ると、約94%が消費税を期限内に申告している。例年の申告状況は約85~90%となっており、それを上回る割合となった。

 免税事業者からインボイス発行事業者になった者は104万8千人で、そのうち期限内申告者は87万5千人だった。

 なお、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者(課税事業者)になった人を対象に、納付税額を売上に係る消費税額の2割にできる「2割特例」の適用が認められている。今回、免税事業者からインボイス発行事業者になった人のうち、2割特例を適用した申告者数は73万4千人で83.9%だった。

相続時精算課税制度適用者は約5万人

 令和5年分の贈与税の確定申告状況を見てみると、贈与税の申告書の提出者は51万人(同2.6%増)で、そのうち申告納税額がある人は37万6千人(同0.9%減)、申告納税額は3548億円(同10.9%増)となった。

 贈与税の課税方法として、暦年課税を適用した人は46万1千人(同1.5%増)、申告納税額は2985億円(同10.9%増)。一方、相続時精算課税を適用した人は4万9千人(同13.3%増)、申告納税額は563億円( 同10.9%増)。暦年課税、相続時精算課税ともに申告人員と申告納税額が前年分よりも増加した。

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