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会計検査院 税の徴収不足1億6062万円、過大154万円を指摘

2022/11/09

 会計検査院はこのほど、令和3年度決算検査報告を公表した。それによると、省庁など総額は税金の無駄遣いや改善を求める指摘件数は310件で、前年度210件から100件の増加。指摘金額は455億2351万円で、前年度の約1653億円から大幅な減少となった。そのうち、法律や政令などに違反した悪質な「不当事項」は265件、104億3136万円だった。

 財務省への検査では、46税務署において、納税者69人から租税を徴収するに当たり、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、これを見過ごしたり、課税資料の収集および活用が的確でなかったりしたため、徴収額の不足が計1億6062万円(72事項)、過大が154万円(2事項)だったことを報告。これらの徴収不足額および過大額はすべて徴収決定や支払決定の処置が執られている。

 法人税について徴収不足または徴収課題になっていた28事項の内訳は、法人税額の特別控除に関する事態が11事項、交際費などの損金不算入に関する事態が6事項、その他に関する事態が11事項あった。


<事例> 給与等の引上げを行った場合等の法人税額の特別控除額の算定を誤ったため、法人税額から控除する金額が過大となっていた事態

 A会社は、元年8月から2年7月までの事業年度分の申告に当たり、当該事業年度の国内雇用者に対する給与等の支給額(雇用者給与等支給額)15億8352万円が前事業年度の国内雇用者に対する給与等の支給額(比較雇用者給与等支給額)14億7236万円を上回るなどとして、雇用者給与等支給増加額1億1115万円の15%相当額1667万円を法人税額から控除していた。

 しかし、A会社の前事業年度分の申告書に添付された明細書等によれば、雇用者給与等支給額から控除すべき適正な比較雇用者給与等支給額は14億8745万円であった。したがって、適正な雇用者給与等支給増加額は9606万円と算出され、法人税額の特別控除額はその15%相当額の1440万円となり、226万円過大となっているのに、これを見過ごしたため、法人税額が同額徴収不足になっていた。

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