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定期借地権設定による経済的利益 平成28年分の適正利率は過去最低0.05%

2017/03/03

 国税庁はこのほど、「定期借地権の設定による保証金の経済的利益の課税に係る平成28年分の適正な利率について」を公表した。

 定期借地権は、平成3年10月に交付された「借地借家法」により、平成4年8月から施行されたもの。これにより、貸した土地が必ず戻り、期間満了時の立退料も必要なくなり、地主が安心して土地を貸すことが可能となった。借り主としても、借入金なして土地が活用できるほか、契約期間終了後には預けた保証金が満額返ってくるなど、少ない負担で良質な住宅等を持つことができる。

 定期借地権の設定に伴って地主が賃借人から預かる保証金は、その運用の仕方によって経済的利益が発生するため、保証金に対する適正な利率を毎年公表し、それを乗じた金額を経済的利益の額として所得税を課税している。

 今回公表された保証金(賃借人がその返還請求権を有するもの)の経済的利益の課税に係る平成28年分の適正な利率は次のとおりだ。

1.当該保証金が各種所得の基因となる業務に係る資金として運用されている場合又は当該業務の用に供する資産の取得資金に充てられている場合
 両建の経理の場合の適正な利率は、平均的な長期借入利率によるべきであるが、0.05%としても差し支えない。

2.上記1の場合以外で、かつ、当該保証金が、預貯金、公社債、指定金銭信託、貸付信託等の金融資産に運用されている場合以外のとき
 利息に相当する金額を計算する場合の適正な利率は、平成28年中の定期預金の平均年利率(預入期間10年・1千万円以上)によることとし、平成28年分については、0.05%となる。

 平成28年分の適正利率0.05%は、前年の3.0%より0.25%低く、マイナス金利の影響もあって引続き過去最低を記録している。ここ数年の適正利率の推移を見てみても、平成24年分:0.8%、同25年分:0.7%、同26年分:0.5%、同27年分:0.3%と年々下がっていることが分かる。なお、適正利率の参考とされていた「各年中の10年長期国債の平均利率」は、平成24年:0.86%、同25年:0.72%、同26年:0.57%、同27年中:0.38%と推移していた。

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