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平成30年公示地価 地価上昇の波は都心部から地方にも

2018/05/01

 国土交通省はこのほど、全国の土地の価格を示す公示地価(平成30年1月1日時点)を発表した。

 それによると、全国平均では、住宅地の平均変動率が昨年の横ばいから0.3%上昇し、10年ぶりにプラスに転じた。商業地はプラス1.9%、全用途平均はプラス0.7%でいずれも3年連続の上昇。工業地もプラス0.8%で2年連続の上昇だ。

 国土交通省では、住宅地について「全国的に雇用・所得環境が改善する中で、利便性の高い地域を中心に地価が回復している」と分析。また、商業地については、「外国人観光客の増加などにともない店舗やホテル等の進出意欲が依然として強い」、「オフィスの空室率の低下などによる収益性の向上」といった背景から「地価は総じて堅調に推移している」との見方を示している。

 東京・大阪・名古屋の三大都市圏をみると、住宅地は0.7%上昇(東京圏1.0%上昇、大阪圏0.1%上昇、名古屋圏0.8%上昇)、商業地は3.9%上昇(東京圏3.7%上昇、大阪圏4.7%上昇、名古屋圏3.3%上昇)、工業地は1.5%上昇(東京圏2.3%上昇、大阪圏1.3%上昇、名古屋圏0.2%上昇)となった。大阪圏の住宅地の上昇はわずかだが、商業地では大きなプラスとなっている。

 今回の大きな特徴といえるのが、三大都市圏以外の地方圏の地価上昇だ。商業地の平均はプラス0.5%となり、平成4年以来26年ぶりの上昇となった。住宅地を含めた全用途の平均でも、26年ぶりに下落を脱して横ばいに転じている。

 特に、札幌、仙台、広島、福岡の地方中核4市では、地価の上昇が目立っており、住宅地がプラス3.3%、商業地はプラス7.9%、工業地はプラス3.3%と伸ばしている。地域によって格差は見られるものの、地価上昇の波は都心部から地方圏へと広がっていることがうかがえる。

●最高価格は銀座「山野楽器」
 全国最高価格地点は、東京・銀座4丁目の山野楽器銀座本店で1平方メートル当たり555 0万円(変動率9.9%)。 今回初めて住宅地の最高価格地点となったのは、アメリカ大使館やスペイン大使館付近に置かれている港区赤坂1丁目1424番1。新興の富裕層によるマンション需要が旺盛で、昨年まで全国の住宅地の最高価格地点だった千代田区番町地区を赤坂地区が逆転した。

 全国の変動率の上位を見ると、住宅地ではスキーリゾート地域のニセコ観光圏の一翼を担う倶知安町が1位から3位を独占。倶知安町は商業地でも変動率1位となった。

 東京圏における商業地の変動率トップ10を見ると、渋谷駅前の大規模な再開発の影響などにより、渋谷区内の8地点が2位と4~10位を占めた。また、外国人旅行者などで賑わう大阪圏の変動率1位は、大阪市中央区道頓堀1丁目のふぐの店「づぼらや」で、変動率はプラス27.5%。近年、大阪圏の上昇率は勢いが増しており、今回も変動率トップ10すべてがプラス20%を超えている。

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