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平成30年度の税金のムダは1002億円 会計検査院の決算検査報告

2019/11/11

 会計検査院はこのほど、平成30年度決算検査報告を公表した。それによると、税金の無駄遣いや改善を求める指摘件数は335件、指摘金額は1002億3058万円だった。指摘件数はここ10年で最も少なく、指摘金額は昨年より約154億円減少した。

 法令違反や不適切な予算執行と認定した「不当事項」は254件、57億2187万円だった。不当事項の金額を省庁団体別でみると、厚生労働省が最も多く18億4368万円。次いで総務省の6億7855万円、文部科学省の6億6474万円だった。

 財務省への検査では、58税務署において、納税者78人から租税を徴収するに当たり、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、これを見過ごしたり、法令等の適用の検討が十分でなかったりしたため、徴収額の不足が計2億1212万円(78事項)、過大が67万円(1事項)だったことを報告。これらの徴収不足額および過大額はすべて徴収決定や支払決定の処置が執られている。


 なお、法人税の徴収不足の事例が紹介されている。

<事例> 非支配目的株式等に係る配当等の額をその他株式等に係る配当等の額としていたため受取配当等の益金不算入額を過大に計上していた事態

 A農業協同組合は、27年4月から29年3月までの事業年度分の申告に当たり、その有する他の内国法人の株式のうち1法人の株式等をその他株式等に該当するとして、受取配当等の益金不算入の対象となる金額を、配当等の額の50/100相当額28年3月期分7200万円および29年3月期分7453万円としていた。

 しかし、A農業協同組合は、両事業年度において、当該法人の発行済株式総数の5/100以下に相当する数の株式を配当等の額の支払に係る基準日において有していたことから、当該法人の株式等は、非支配目的株式等に該当していた。そのため、両事業年度において、受取配当等の益金不算入の対象となる金額は、配当等の額の20/100相当額28年3月期分2880万円および29年3月期分2981万円となり、上記の金額との差額28年3月期分4320万円および29年3月期分4472万円が過大となっているなどしていたのに、これを見過ごしたため、両事業年度を合わせて法人税額1920万円が徴収不足になっていた。

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