平成30年度地価調査 全用途平均が27年ぶりに上昇
2018/09/27
国土交通省はこのほど、平成30年度都道府県地価調査を公表した。今年は全国2万1578地点を対象に実施された(7月1日時点)。
まず、全国平均では、全用途平均が平成3年以来27年ぶりに下落から上昇に転じた。住宅地は下落率の縮小傾向が継続しており、商業地は2年連続で上昇。地価の回復傾向は依然として続いている。
三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)を見てみると、各圏域で住宅地・商業地ともに上昇基調を強めており、大阪圏の住宅地も4年ぶりに横ばいから上昇に転じた。一方、地方圏では、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)の好調が続いており、住宅地・商業地ともに三大都市圏を上回る上昇で、その他の地域でも下落幅が縮小している。
こうした背景について国交省では、住宅地は、「雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続等による需要の下支え効果もあり、交通利便性や住環境の優れた地域を中心に需要が堅調」とし、商業地については、「景気回復、良好な資金調達環境の下、①主要都市でのオフィス空室率の低下、賃料上昇による収益性の向上、②外国人観光客の増加等による店舗、ホテル需要の高まり、③再開発事業等の進展による繁華性の向上などを背景に投資需要が拡大」という点を挙げている。