平成30年度税制改正大綱のチェックポイント ~消費課税~
2018/02/13
〈国際観光旅客税(仮称)の創設〉
今後さらに増加する観光需要に対し高次元で観光施策を実行する目的で、観光促進のための税として、平成31年1月7日以後の出国旅客に定額・一律(1,000円)の負担を求める国際観光旅客税(仮称)が創設されます。
〈輸出物品販売場制度の見直し〉
外国人旅行者の利便性の向上及び免税店事業者の免税販売手続きの効率化を図り、外国人旅行消費のより一層の活性化と地方を含めた免税店数の更なる増加を図る観点から、現行の紙による免税販売手続(購入記録票のパスポートへの貼付・割印)を廃止し、免税販売手続が電子化されます。
また、外国人旅行者向け消費税免税制度の利便性の向上を図るため、一定の条件の下で「一般物品」と「消耗品」の合計金額が5,000円以上となる場合も免税販売の対象に含められることになります。
〈地方消費税の清算基準の抜本的な見直し〉
地方消費税の清算基準について、小売年間販売額及びサービス業対個人事業収入額の算定に用いる統計データのうち、統計の計上地と最終消費地が乖離しているもの、非課税取引に該当するものが除外されます。これに伴い、統計カバー率を現行の7 5 % から5 0 %に変更し、統計カバー外(50%)の代替指標が人口になります。
〈その他〉
金の密輸入に対応するため、輸入に係る消費税等の脱税犯に係る罰金額の上限について、脱税額の10倍が1,000万円超の場合には、脱税額の10倍に引き上げられます。
また、消費税の簡易課税制度について、平成31年10月1日を含む課税期間から、農林水産業のうち消費税の軽減税率が適用される食用の農林水産物を生産する事業を第2種事業とし、そのみなし仕入率が80%(現行:70%)になります。
アドバイザー/中島孝一 税理士