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日本居住者の金融口座情報274万件を101カ国・地域から受領

2026/02/04

 国税庁はこのほど、令和6事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要を公表した。

 租税条約等に基づく情報交換には、「自動的情報交換」、「自発的情報交換」「要請に基づく情報交換」の3つの類型があり、今回で7回目となる金融口座情報(CRS情報)の「自動的情報交換」では、日本の居住者に係る金融口座情報274万5374件(前事務年度:245万5288件)、口座残高17兆7000億円を101カ国・地域の外国税務当局から受領した一方、日本の非居住者に係る金融口座情報32万8034件)(同:51万782件)、口座残高8兆1000億円を国税庁から84カ国・地域に提供した。

 受領したCRS情報及び要請に基づく情報交換の活⽤例として、次の内容が紹介されている。

【CRS 情報の自動的情報交換の活用例】
・X国より受領したCRS情報から、会社員AがX国内に有している証券⼝座において、株式の配当等による収⼊を得ていることを把握したため、調査に着⼿。調査対象者は、⼝座を保有する事実を認めたものの、発⽣した所得の計算に必要な資料の提供依頼に応じなかったことから、X国税務当局に対して証券⼝座の取引明細書等の情報提供要請を⾏った。
・X国税務当局から受領した情報に基づいて、配当所得の⾦額および株式等に係る譲渡所得の⾦額を算定し、 課税を⾏った。

 CbCR(Country by Country Report:国別報告書)の交換では、外国に最終親会社等がある1875グループのCbCRを57カ国・地域の外国税務当局から受領し、日本に最終親会社等がある981グループのCbCRを国税庁から75カ国・地域に提供した。

 法定調書により把握した非居住者等への支払についての情報12万6928件を外国税務当局から受領した一方、92万649件を外国税務当局に提供した。

 次に、「自発的情報交換」は、国際協力の観点から自国の納税者に対する調査などの際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供するもの。外国税務当局から国税庁に提供された「自発的情報交換」の件数は1781件。国税庁から外国税務当局に提供した「自発的情報交換」の件数は66件だった。地域別にみると、アジア・大洋州の国・地域への提供が53件と最も多くなっている。

 最後に、国税庁から外国税務当局に行った「要請に基づく情報交換」の件数は505件となった。地域別にみると、日本と経済的関係が強いアジア・大洋州の国・地域向けの要請が380件となり、約8割を占めている。外国税務当局から国税庁に寄せられた「要請に基づく情報交換」の件数は326件で、前事務年度から124件増加した。

 要請に基づく情報交換の活用例では、次の内容が紹介されている。

【外国税務当局から受領した情報の活用例】
・調査法⼈B社は、Y国法⼈H社からの製品仕⼊取引を損⾦として計上していた。H社からの仕⼊取引に係る事実関係について聴取したところ、当該仕⼊取引の存在を証明する書類の提⽰がなく、多額の取引を現 ⾦決済で⾏っていると説明する等の不審な点があったことから、Y国税務当局に対してH社の総勘定元帳および取引に関する契約書等の情報提供要請を⾏った。
・Y国税務当局から受領した情報を検討した結果、実際には製品仕⼊の事実はなく、多額の仕⼊取引が架空計上されている事実を把握した。

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