租税特別措置の適用実態調査 28年度に最も使われたのは?
2018/03/05
財務省はこのほど、平成28年度の「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」を国会に提出した。
同報告書は、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に終了した事業年度または連結事業年度において適用を受けた法人税関係特別措置について、適用額明細書に記載された事項を集計することで、その適用の実態調査の結果をまとめたもの。
それによると、適用額明細書の提出があった法人数は、118万2897法人(単体法人118万1816法人、連結法人1081法人)で、前年度より5万1779法人の増加となった。適用件数は183万3213件で、前年度より9万417件増えている。
措置ごとの適用概況を見てみると、中小企業者等の所得金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を15%(本則:19%)とする「中小企業者等の法人税率の特例」が最も多く使われ、適用件数88万8592件(前年度84万3278件)、適用額は3兆4021億円(同3兆1838億円)だった。そのほか、適用件数が多かった租税特別措置は以下のとおり(カッコ内は前年度)。
「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
適用件数51万262件(48万9992件) 適用額2882億円(2768億円)
「特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例」
適用件数15万9170件(13万8831件) 適用額2032億円(1877億円)
「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」
適用件数9万9134件(9万594件) 適用額3184億円(2774億円)
「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」
適用件数3万8939件(3万688件) 適用額5971億円(3647億円)
「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」
適用件数3万4766件(3万2654件) 適用額275億円(254億円)
「生産性向上設備等を取得した場合の特別償却」
適用件数2万1472件(2万7433件) 適用額8937億円(1兆2926億円)