税理士が相談を受けた中小M&Aの事例④
2020/08/27
経済産業省が策定した中小M&Aガイドラインでは、中小企業にとってM&Aが身近なものであることを理解してもらうため、18パターンの豊富な中小M&Aの事例を紹介しているが、その中には税理士が関与先から相談を受けたことがキッカケで、M&Aが成立した事例も取り上げられている。その中のひとつを紹介する。
「小規模企業・個人事業主において中小M&Aが成立した事例」
譲り渡し側:A社 譲り受け側:三宅一郎(仮)
業種:教育業 業種:創業希望者
売上高:5000万円
従業員:5名 業歴:25年
【意思決定に至るまでの経緯】
地域の小・中・高校生が通う個別指導学習塾を経営していた小山克彦(仮)は年齢や持病等により、自身で塾を継続していくことに限界を感じ、廃業を検討。しかし、塾の生徒や保護者から塾の存続を望む声が多く、廃業以外の道を顧問税理士に相談したところM&Aの可能性を示唆された。
【成立に至った経緯】
顧問税理士から紹介されたM&A専門業者とはコスト面で折り合いがつかず、低コストで承継者を探せるM&Aプラットフォームを利用。複数の候補者の中で塾講師の経験があり、学習塾経営の創業希望者であった30代男性会社員の三宅と出会い、基本合意に至った。小山は、三宅の人柄や能力があれば、塾の子供達を安心して任せることができると考え、事業譲渡実行に至った。
【成立に至った後の経緯】
M&Aプラットフォームを利用したことにより、低コストで中小M&Aが実現した。小山は現在、塾経営の経験がない三宅をサポートし、子供達の成長を見守りながら、地域のボランティアに参加するなど充実したセカンドライフを送っている。