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経産省 中小企業経営強化税制の拡充で売上100億円企業を創出

2024/10/17

 経済産業省の令和7年度税制改正要望をみると、まず、中小企業経営強化税制の拡充と適用期限の2年間延長を求めた。

 拡充では、成長志向の高い中小企業をさらに後押しし、売上高が100億円を超える中小企業(100億企業)の創出を推進するため、上乗せ措置の創設などを行う。売上100億円超の中小企業(100億企業)は、高いレベルで外需と内需を取り込み、収益を上げて生産性向上を図り、賃上げを実現し、人口減少社会においても、地域経済の好循環を先導する存在であり、経済成長を実現する上で、各地域に「100億企業」のような成長中小企業を創出することが重要としている。

 地域未来投資促進税制では、適用期限の2年間延長を求めたほか、地域経済を牽引する中堅・中核企業の成長促進を通じた強靱な産業基盤の構築に向けて、地方公共団体が戦略的に重点支援を行う産業分野「重点促進分野(仮称)」に対する新たな枠を設ける。また、大型投資へのインセンティブをより一層高めるため、本税制適用期限内に国の確認を受けた対象事業について、計画期間内(最大5年以内)に投資を完了したものを同税制措置の対象とするとした。

 また、産業用地整備促進税制の新設を要望。これは、自治体が民間事業者の活力を活用して産業用地を整備する事業において、地権者が土地等を譲渡した際、地権者の譲渡所得への所得控除を行うもの。地権者交渉の円滑化、産業用地の迅速な供給により、地域経済に波及効果をもたらす国内投資を後押しすることを目的としている。

 エンジェル税制では、スタートアップに対する個人からの資金供給を促す観点から、株式譲渡益が発生した年に行うこととされている再投資期間の要件を、同一年内から複数年に延長することを求めた。

 事業承継税制では、経営者の高齢化の進展などを鑑み、中小企業の事業承継を一層後押しし、生産性向上・成長への支援を強化する観点から、事業承継税制の特例措置の適用期限が到来するまでの間、本税制を最大限活用できるように役員就任要件の見直しを行うほか、同税制の適用期間における事業承継の取組みなども踏まえ、円滑な事業承継の実施のために必要な措置について検討することを要望した。

 そのほか、中小企業の経営基盤の維持や資金繰り負担を緩和するとともに、生産性向上に向けた取組を後押しするため、中小企業者等の法人税率の特例の2年間延長。赤字企業を含めた中小企業の前向きな投資や賃上げを後押しするため、赤字黒字を問わず設備投資に伴う負担を軽減する固定資産税の特例措置の2年間延長。さらに、中小企業が自然災害等への事前の備えを行うことは重要であり、今後も中小企業による防災・減災に向けた設備投資の促進が必要であるため、中小企業防災・減災投資促進税制の2年間延長を要望した。

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