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金融庁 金融所得課税の一体化を要望

2021/10/15

 金融庁では、令和4年度税制改正要望として金融所得課税の一体化を求めた。金融商品間の損益通算の範囲は、2016年1月から上場株式などに加えて特定公社債等にまで拡大されたが、デリバティブ取引・預貯金などは損益通算が認められていない。特に、デリバティブ取引はヘッジや分散投資として活用されることで、家計による成長資金の供給の拡大と家計の資産形成に資することが期待されるが、現状は個人投資家による活用が限定的だ。

 そこで、証券・金融、商品を一括して取り扱う総合取引所が2020年7月に実現したことを踏まえ、投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境の整備を図り、家計による成長資金の供給拡大などを促進する観点から、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大することを要望した。

 そのほか、NISA口座開設時におけるマイナンバーカードの活用を求めた。NISA口座は一人一口座とされているが、開設申込者がほかの金融機関でNISA口座を開設しているか分からない場合、金融機関においてNISA口座の有無を即時に確認できる仕組みがないため、税務署での審査完了(1~2週間程度)を待って取引開始とするといった運用が行われている。

 金融庁ではNISA口座の利便性向上を図る観点から、投資者が自身のNISA口座の有無等についてマイナンバーカードを活用して即時に確認できるよう所要の整備を図ることを要望した。

 また、税務手続のさらなるデジタル化を推進するため、金融機関と税務当局との手続きについては、税務当局において即時に利活用可能なデータフォーマットによる送信を可能とするなど、所要の措置を講じることを求めている。

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