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税務の勘所Vital Point of Tax

病院経営の引継ぎで新財団に資産等を贈与した場合の課税関係

2017/09/13

 病院経営を行っている一般財団法人(照会者)は、今後設立予定の医療保険業を行う新財団に対し、病院経営の一部を引き継ぐために資産等の贈与を予定しているが、照会者から贈与を受ける資産等に係る受贈益については、法人税法第2条第13号に規定する収益事業(医療保健業)に係る収益には該当しないと解して差し支えないかとの事前照会に対し、広島国税局はさきごろ、差し支えないとの文書回答を行った。

 照会の内容は次のとおり。病院経営を行っている一般財団法人の照会者は、平成29年10月に設立予定の新財団に病院経営の一部を引き継ぐため、資産(預金、土地、建物および医療機器等)および負債(銀行借入金等)の贈与を予定している。新財団は贈与を受けた資産および負債については、収益事業に属する資産および負債として区分経理することとなる。

 新財団は、今後、照会者から病院経営を引き継ぐに当たり、その病院経営に必要な医療機器等を贈与により取得することになるが、その贈与により取得した医療機器等については、その後、これらの医療機器等を処分した時に、原則として収益事業の付随行為に係る損益になる(課税対象になる)ものと考えるので、この取得に係る受贈益についても収益事業の付随行為に係る損益となるのではないかとも考えられる。

 しかし、この贈与による医療機器等の取得は、収益事業の用に供される固定資産の取得のために交付を受ける補助金等と何ら変わるものではなく、実質的な元入金のようなものであり、収益事業に係る収入または経費を補填するための補助金等のような役務の提供等を受ける者から得る対価と経済的に同じ性質を有しているとは認められないため、収益事業(医療保健業)に係る収益には該当しないと考えられるとして事前照会を行っていた。

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