番外編 箱根駅伝を観戦して
2018/01/07
新年明けましておめでとうございます。本年も記事を掲載して参りますので、お付き合いの程よろしくお願いいたします。さて、新年最初のテーマは『箱根駅伝を観戦して』です。ここのところ番外編が続きますが、駅伝シーズンのクライマックスともいえる箱根駅伝を語らずにはいられないので、お付き合いいただければ幸いです。
<優勝争いの行方は>
戦前の優勝候補は青山学院vs東海vs神奈川。しかしふたを開けてみれば、ご存知の通り青山学院が圧勝ともいえる勝ち方で4連覇を達成しました。
見せ場を作ったのは東洋大。戦前の評価は高くなかったですが、1区区間賞で流れに乗ると、2区以降も堂々の走りで先頭を譲らず往路優勝。しかし復路では青山学院が圧倒的な走りを見せました。6区は歴代2位、7区は区間新、8区も歴代8位の素晴らしい走りで独走態勢を築きました。
2位は東洋大、3位は早稲田大。ともに今シーズンの出雲・全日本と結果はあまり良くなく、戦前の予想は高くなかった大学。しかし結果的にトップ3は昨年と全く同じ大学となりました。
逆に優勝候補とされた東海は5位、神奈川は13位。東海はエース關選手が欠場、全体的に長い距離への対応が不十分といった印象で、3位争いをするもアンカーで抜かれる結果でした。また神奈川大は4区終了時点まで3位でしたが、山上りの5区が区間最下位の大ブレーキとなってしまいました。
(上位3チームの結果)
1 10:57:39 青山学院大学
2 11:02:32 東洋大学
3 11:09:09 早稲田大学
(詳細はこちら)http://www.hakone-ekiden.jp/
<各駅伝の結果からみる箱根駅伝>
年末年始、高校駅伝~実業団駅伝~箱根駅伝と3つの駅伝大会を見てきましたが、改めて箱根駅伝の特殊性を感じました。高校駅伝、実業団駅伝ともに優勝候補とされたチームが順当に争う結果でしたが、箱根駅伝は連覇中の青山学院の強さが際立ち、出雲優勝の東海大、全日本優勝の神奈川大は大きな見せ場が作れませんでした。結果的に2~3位は昨年と同じ『箱根に強い』大学となり、それはやはり箱根駅伝の『長い距離』と『山』がもたらす結果だと思います。
まず全区間20km超の長い距離。これは十分に走り込みをしなければ対応できず、必ずしも5kmや10kmのタイムで判断できません。そしてハーフマラソンのベストタイムが速くても、集団で走って出したハーフマラソンの自己ベスト記録が、風やアップダウンのあるコースで単独で走る駅伝にそのまま繋がる訳ではないのです。
そして何より山区間の5区・6区の存在です。ここに強い選手、山上り・山下りに適性のある選手がおけるかどうかが、箱根駅伝のポイントといえます。そういった意味で、東海大・神奈川大は苦戦し、青山学院は強さを発揮しました。
早々に来年の予想を言えば、箱根の勝ち方を知っている青山学院がやはり優勝候補になりそうです。エース田村・下田の両選手が抜けても、2区区間賞の森田選手、6区区間賞の小野田選手、7区区間新の林選手とまだ十分な戦力が残ります。対抗は下級生中心で上位に入った東洋大や東海大。今後1年間の伸び方次第で青学に対抗できそうです。
最後にトピックをもう1つ。個人として注目されていた東大の近藤選手、インフルエンザのために欠場と、大変残念な結果となりました。来年、彼は4年生。最後に有終の美を飾れるような走りを期待したいと思います。
※近藤選手に関連して、松本のコメントが記事になりました。
http://www.hochi.co.jp/sports/feature/hakone/20180103-OHT1T50074.html