Vol.12 大会に向けたトレーニング
2017/07/04
今回のテーマは「大会に向けたトレーニング」。これまで具体的なトレーニング方法やポイントなどをお伝えしてきましたが、これより数回に分けて、大会に向けたトレーニングについてお伝えしたいと思います。今回はその概要やポイントについてです。
1.概要
ランニングを始め、ジョギングが習慣になると、大会に出場してその成果を試してみたいと考えるようになる人も多いと思います。または逆に、「東京マラソンを走りたい」「ホノルルマラソンが楽しそう」と大会への出場を決めてから走り出す人も多いかもしれません。
大会に出場して、満足のいく走りをするためには、ある程度計画的なトレーニングが必要になります。前回の記事「自分のカラダと対話を繰り返す」で柔軟に練習メニューをアレンジすることをお伝えしましたが、それはまず計画的なトレーニングメニューがあってのこと。大きな枠組みでスケジュールを立て、練習の目的を達成する上で、必要な範囲でアレンジする、ということが重要になります。
2.ポイント
とはいえ、スケジュールの立て方にしても、個人の走力や目標とするレース、年齢や性別、生活環境によっても様々です。一般的な(オーソドックスな)メニューはランニングに関する雑誌や書籍にありますが、それを参考にしつつ、『自分に合った』スケジュールを立てて行うのが良いでしょう。
スケジュールを立てる上で意識してほしいのが「季節」です。忘れがちなポイントですが、気象条件により同じ練習でも負荷が全く異なるもの。真夏に30℃のなかで走る20kmと、秋に走りやすい環境下で走る20kmでは、身体に及ぼす影響・ダメージが大きく変わってくるものです。以下、簡単ですが季節ごとのポイントを記載します。
●春…マラソンシーズンが終わり、季節の変わり目や生活環境の変化、花粉症などの影響もあり疲れやすい時期。疲労回復を意識するとともに、生活環境を整え、規則正しく練習するリズムを整えていく
●夏…暑くなり、長距離を走るのは難しくなる時期。走るのは朝・晩など比較的涼しい時間にして、走行距離を欲張らずに「量より質」を意識。身体は動きやすいので、練習ではインターバル走、レースでは5kmなど、比較的短い距離でスピードを強化する
●秋…徐々に涼しくなり、ランニングをするのに最適な時期。秋の初めは季節の変わり目で夏の疲れを感じることもあるので無理をせず、落ち着いた段階から徐々に目標とする大会に向けて走り込みを行う。
●冬…目標とするレースが集中する時期。走り込みをする時期、レース直前の調整する時期、とテーマを分けて練習に取り組む。寒さで故障のリスクが高まるので、十分にウォーミングアップをして、急にスピードを上げ過ぎないよう注意する
上記を踏まえ、次回以降はレベル別や距離別など分けて具体的にお伝えしたいと思います。