賃貸マンションの駐車場 非課税となる条件とは…?
2016/10/21
Q.居住用マンションと共に敷地内の駐車場を賃貸しています。賃貸借契約書では、家賃と駐車場料金は、その内訳を区分しないで賃貸料を設定しています。このような場合には、家賃だけでなく、駐車場部分も含めた賃料の全額が非課税になるものと考えてよいのでしょうか?
A.
〇賃貸駐車場の課税区分
土地の貸付けは非課税とされていますが、駐車場の貸付けは施設の貸付けであり、原則として消費税が課税されます。ただし、地面の整備やフェンス、区画、建物の設置等をせず、かつ、車両の管理をしていない、いわゆる青空駐車場の場合に限り、土地の貸付けとして非課税にすることができます(消基通6-1-5(注)1)。
なお、土地の貸付けであっても、1カ月未満の短期の貸付けは非課税とはなりませんので、臨時駐車場として土地を10日間だけ賃貸するような場合には、たとえ更地の賃貸でも消費税が課税されることになります(消令8、消基通6-1-4)。実務上は、玉砂利を敷いただけの駐車場やロープを埋め込んで区画整理をしただけの簡素な駐車場も課税されているようです。
〇駐車場付き住宅の賃貸が非課税となるための要件
非課税となる駐車場付きの住宅とは、一般的には駐車場付きの一戸建住宅を指しますが、賃貸マンションのような集合住宅であっても、次の①~③の条件をすべて満たすような場合には、その賃貸も非課税として取り扱うことが認められています(消基通6-13-3)。
①入居者について、一戸当たり一台分以上の駐車スペースが確保されていること
②自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられていること等
③住宅家賃とは別に駐車場使用料等を収受していないこと
ご質問のケースでは、上記③の要件はOKですので、①及び②の要件もクリアした場合に限り、賃料の全額を非課税とすることができます。
〇敷地の外に駐車場がある場合
非課税となる駐車場付き住宅とは、住宅の敷地部分に駐車スペースを設けている場合や、住宅の一部を利用してガレージを設けている場合など、住宅の一部又は住宅に付随すると認められる施設であることが前提になっているものと考えられます。
したがって、入居者について、一戸当たり一台分以上の駐車スペースを確保するために、道路を挟んだ向かいにある空き地を賃借して駐車場として入居者に使用させるような場合には、たとえ一戸当たり一台分以上の駐車スペースが確保されていたとしても、その駐車場付き住宅の貸付けは非課税とはなりません。駐車場スペースは、あくまでも同一の敷地内に設けなければなりませんので、この場合には、賃料の内訳を家賃部分と駐車場部分に区分する必要があります。
〇一部の入居者だけ賃料を収受する場合
駐車料金を一部の入居者からだけ収受するような場合には、別途収受する駐車料金はもとより、駐車料金を収受していない入居者から収受する家賃についても、その内訳を区分した上で、駐車料金を課税売上高に計上する必要があります。別途収受した駐車料金だけを課税売上高に計上して申告することはできませんのでご注意ください。