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トラブルは現場で起きている!

学校法人の土地が狙われ倒産に追い込まれた事件

2020/09/23

 ここ数年で最も有名になった学校法人といえば森友学園です。その森友学園は2017年4月に倒産していますが、2020年3月に民事再生法の適用を申請して、近畿地区で森友学園に次ぐ倒産となったのが、大阪観光大学と明浄学院高校を運営している学校法人明浄学院です。明浄学院は、過去に仮想通貨をめぐる事件でも取り上げたことがありますが、まるで疑惑のデパートのような印象があるこの学校法人に、いったい何があったのでしょうか。

 明浄学院高校は、大阪市内の一等地に校舎を構えていますが、その校舎を田舎に移転させて、空いた土地にマンションを建設すれば莫大な利益が見込めると考えたのが、東証一部上場の不動産会社プレザンスコーポレーションの社長、山形忍でした。そこで、その一味の大橋美枝子がまず明浄学院に乗り込みます。大橋は山形から18億円を借用して、明浄学院の理事長に10億円渡して退任させ、明浄学院に5億円を寄附して、自分が理事長に就任します。その上で、明浄学院とプレザンスは、高校の土地の半分を32億円で売買する契約を結び、手付金として21億円が支払われます。大橋らは、この21億円を全額引き出し、うち18億円を山形の口座に戻したのです。

 大阪地検特捜部によって、山形や大橋ら一味の6人が業務上横領で逮捕されたのは、2019年12月のことでした。この不祥事によって、明浄学院は2019年度の私学助成金が全額不交付になるなど資金繰りが悪化。2020年3月には大阪地裁より新理事長と理事らの職務を停止する仮処分を受けて、その混乱の中で2020年3月16日に民事再生法の適用を申請して倒産します。負債総額は約7億6,000万円に上りますが、土地の代金21億円を含めると28億6,000万円まで膨れ上がる可能性があるとされています。


 その後の2020年8月20日、民事再生中の明浄学院に支援者が現れました。明浄学院高校の支援に手を挙げて引き継ぐのは大阪の学校法人「藍野大学」、大阪観光大学は長野の学校法人「理知の杜」の理事長が明浄学院の理事長に就任して支援することに決まりました。

 一方、トップが逮捕されたことで経営が傾いたプレザンスの方は、住宅大手のオープンハウスが31.6%の株式を約220億円で取得して、オープンハウスの持分法適用会社とすることで救済が図られました。

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