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トラブルは現場で起きている!

ラグビーと税金のあやしい関係?

2017/09/06

 東京オリンピックは2020年ですが、その前年の2019年秋には、ラグビーワールドカップが日本で開催されます。2015年のイングランド大会では、日本代表チームが強豪国・南アフリカに勝って、「スポーツ界最大の番狂わせ」と世界を驚かせたことはまだ記憶に新しいところです。これで一気に盛り上がりを見せるかに思えた日本でのラグビー人気ですが、その後の国際試合でパッとしなかったこともあって、潮が引くようににわかファンたちの熱は冷めてしまったようです。

 といっても、昔からのラグビーファンにとっては、プロのいるトップリーグや社会人リーグ、大学対抗戦などの熱戦が楽しみであることに変わりはありません。ラグビーのメッカともいうべき関東の秩父宮ラグビー場や関西の花園ラグビー場には、血と汗のドラマを見ようと大勢のファンが詰めかけます。

 ところで、その入場料は、いったい誰の懐に入り、どこへ消えていくのでしょうか。また、税金の関係はどうなっているのでしょうか。ここから、脱税や申告漏れと一見何の関係もなさそうなラグビーと事件とのつながりが生じてくるのです。

 大学ラグビーなどのアマチュア大会を開催する「関東ラグビーフットボール協会」は、任意団体ですが、平成18年に税務調査を受けて、収益事業に当たる入場料を申告していなかったとして、平成17年3月までの5年間で、約3億3,000万円の申告漏れを指摘され、無申告加算税を含めて約1億1,000万円を追徴課税されたことがありました。

 人気カードの早明戦などでは、指定席が2,500円~5,000円と高額になり、当然利益が生じますが、これは収益事業の興行業に当たります。関東ラグビー協会は、入場料収入からグラウンド使用料などを除いた利益については、入場者数などに応じて各大学の間で分配していました。どうやらアマチュアの試合には税金はかからないものという思い込みがあったようです。

 この余波を受けて、翌年には、トップウエストリーグや関西大学リーグなどを主催する任意団体の「関西ラグビーフットボール協会」に税務調査が入り、平成17年3月までの5年間に約1億2,500万円の申告漏れを指摘され、約4,000万円を追徴課税されました。

 なお、現在は公益財団法人なっている日本ラグビーフットボール協会も、これらに先立って税務調査を受けていたということです。そのときは財団法人だった日本ラグビーフットボール協会は、プロ契約選手などが所属するトップリーグの入場料収益は収益事業として申告していましたが、アマチュアの試合は収益事業には該当しないとして申告していませんでした。しかし、事業としては赤字だったため、追徴課税はなかったもようです。

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