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トラブルは現場で起きている!

園児らの夢を汚した夢工房

2018/02/22

 社会福祉法人の私物化を防ぐ改革が平成29年4月1日に本格スタートしてからまだ1年も経ちませんが、次々と聞こえてくるのは、理事や理事長が私物化して社会福祉法人の資金を使い込んだというニュースです。

 まず、千葉県柏市で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人新柏会では、理事を務める女性が、入居者からの預り金など約370万円を着服していたと平成29年11月に発表されました。また、岡山県赤磐市で特別養護老人ホームなどを運営している社会福祉法人久赤会では理事長が8700万円以上の使途不明金に関与していることが疑われていると平成30年2月4日に報道されています。

 しかし、大阪や兵庫、東京など全国7都道府県で保育園を運営する社会福祉法人夢工房の理事長一族の不正は開いた口が塞がらないといえるほどひどいものでした。

 保育園は園児からの保育料や地方自治体からの補助金によって運営されていますが、そのお金を理事長一族が勝手に引き出してぜいたくな暮らしに使っていました。理事長は保護者から集めた教材費200万円を個人口座に入金させたり、理事会の議事録を偽造して法人名義で6300万円の借入れをさせてまでお金を引き出し、私的に使っていたのです。

 理事長の妻は、領収書を偽造してブランド品を買うのに1300万円を法人から引き出していました。長女は長女で高級車に740万円、嫁入り道具の家具や家電製品に210万円を法人から支出させていました。長男の通う専門学校の学費420万円も法人から支払われていました。その他、一度も勤務したことはないにもかかわらず、理事長の母と義母、長男、長女、母の家政婦に、法人から給与として2010年から2015年までの5年間に5960万円が支払われていました。

 こうして理事長一族が引き出したお金は、わかっているだけでも1億4000万円に上りますが、呆れた実態として理事長がアダルトビデオの代金まで、社会福祉法人の経費に付け回していたことが報告されています。

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