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トラブルは現場で起きている!

東京都の「食肉市場」で消費税の申告漏れ

2021/11/05

 「えっ、国や地方公共団体も消費税を納めてるんですか?」と驚かれることがありますが、納めてるんです。消費税は、国や地方公共団体も事業者として消費税の納税義務があります。

 もっとも、国や地方公共団体は、租税や補助金など対価性のない収入を主な財源としていますが、このような対価性のない収入によって賄われる課税仕入れ等は、最終消費的な性格を持つものであり、対価性のない収入を原資とする課税仕入れ等にかかる税額を課税売上げに係る消費税の額から控除することは、税の累積を排除するための仕入税額控除制度には適さないと考えられています。

 

 そこで、国や地方公共団体については、租税や補助金等の対価性のない収入などの特定収入によりまかなわれる課税仕入れ等に係る税額について、仕入税額控除の対象から除外することになっています。この特定収入の取扱いは、会費や寄附金などを恒常的な財源とする非営利の法人でも同じです。

 なお、国や地方公共団体では、一般会計又は個々の特別会計ごとに一つの法人が行う事業とみなして消費税法の規定を適用することとなっています。


 2021年6月16日、東京都直営の中央卸売市場である「食肉市場」が東京国税局の調査を受け、2018年度までの3年間で消費税約1億600万円の申告漏れを指摘されていたことが新聞報道で明らかになりました。東京都はすでに昨年、修正申告しており、追徴税額は過少申告加算税などを含む1億2,400万円とされています。

 でもなぜ、そのようなことが起きたのでしょう。

 東京都では、「国税当局の手引などに基づき適正と判断して処理していた」としていますが、市場の運営資金に充てるために発行した都債の元本返済額を誤って課税仕入れの対象に含めたために申告漏れが生じたと報じられています。

 負債の返済額を課税仕入れとするなど、にわかには信じがたい話で、国税庁から出している手引を見ると、借入金等の取扱いについて、特定収入に該当するケースと特定収入以外の収入に該当するケースが複雑に入り組んで説明されていますので、案外その辺の判断を誤ったのではないかと推測するのですが、どうでしょうか。

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