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トラブルは現場で起きている!

オリンピックという名の暴かれた聖域

2024/08/06

 日本オリンピック委員会(JOC)のホームページに、「オリンピックは、4年に一度開催されるスポーツの祭典です。人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っています。」とありました。しかし、これを額面通り受け取っている人は、もはや誰もいないのではないでしょうか。オリンピックは、とてつもない経済的な恩恵をもたらす事業として、多くの利権屋たちが群がる実態があることが、近年の様々な事件から明らかになってきました。

 2020年の東京オリンピックの準備と運営を取り仕切った「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」は、日本オリンピック委員会(JOC)と東京都が資金を拠出して設立した公益財団法人でした。その理事であった高橋治之が、オリンピックの利権を得て甘い汁を吸った一人として、受託収賄などで逮捕され、現在も公判中であることは周知のとおりです。

日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和氏は、その高橋と慶応幼稚舎人脈で親しい間柄でしたが、フランス検察捜査当局の贈賄容疑で捜査対象となり辞任したことで知られています。

 さて、この日本オリンピック委員会(JOC)は、公益財団法人で、現在は柔道の山下泰裕氏が会長を務めていますが、2024年3月6日の新聞報道で、東京国税局の税務調査を受け、2018〜22年度の会計処理に関して、国税と地方税含めて約20億円の追徴課税を受けたことが明らかとなりました。

 20億円という金額の大きさに改めて驚かされますが、これまで聖域であると思われていたオリンピックが、実は利権の温床であったことが、高橋治之の事件によってはからずも明らかとなり、この追徴課税はそれが波及した結果の一つと推測されます。

 申告漏れが指摘されたのは、JOC側の説明によると、収益事業であるマーケティング収益の計上時期にズレがあったという点と、JOCに加盟する他の競技団体(NF)の会計処理支援センター事業費を収益事業の直接の費用にしていたという点でした。

 2024年3月期のJOCの公表されている決算書を見ると、事業収益の中の「マーク使用料収益58億円」が突出しており、目を見張る金額ですが、これがマーケティング収益の実体と思われます。また、事業費の中に「NF総合支援センター事業費1億円」とあるのが確認できます。そして、注目の過年度消費税等は3億2千万円、過年度法人税は17億円が計上されて、最終的に3億8千万円の赤字決算となっています。

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