日税グループは、税理士先生の情報収集をお手伝いします。日税ジャーナルオンライン

MENU

税理士が関与先の為に知っておきたい金融知識

金融商品のきほん-その③- 126の法則 「投資元本を2倍に増やす」計算が即できる!

2024/08/09

 資産づくりをする場合、まず大切なことは、「目的」と「ゴール」を描くことです。例えば、10年後にマイホームの買い換えで1,000万円貯めたい、20年後に老後資金として3,000万円ほしい、など。
 では、実際どれくらいの資金と利率で運用すればよいのでしょうか。経営者の方々は、将来のライフプランも、現在の資産や資金の状況も様々です。

 現場で「資金や利率はどのくらい必要?」と聞かれ時に、「ざっくりでいいから、すぐ計算できたら・・・」と、返答に困った、それから話が続かなかった、というお声があります。

そこで、今回は現場で即使える計算方法を見ていきましょう。

◆投資元本を2倍にするための目安を計算できる方法

 投資元本を2倍にするための目安を計算できる方法に、「126の法則」「72の法則」があります。いずれも現場で即使える簡単な計算方法です。

・126の法則
126の法則は、以下のように計算できます。

年数×年利回り(%)=126

例えば、30歳から60歳までの30年間積み立てる場合 計算式にあてはめていきます。
126÷30年=4.2%

つまり、年4.2%の利回りで30年間運用すれば、元本の2倍になると計算できます。

20年間積み立てるなら、126÷20年=6.3% の利回りが必要になります。

仮に、毎月3万円を投資信託で積立てると、年間で36万円
36万円(3万円×12月)×30年×2=2,160万円

毎月5万円なら、年間で60万円
60万円(5万円×12月)×30年×2=3,600万円

となりますので、まとまった老後資金や住宅のリフォーム資金などが確保できます。NISAを活用すれば、非課税メリットもあわせて受けられます。ただし、NISAは最高1,800万円の限度額がありますので、注意が必要です。

・72の法則
積み立てではなく、一括投資で元本を2倍にする計算方法に「72の法則」があります。

72の法則・・・年数×年利回り(%)=72 

20年間運用するなら、72÷20年=年利回り3.6%
30年間運用するなら、72÷30年=年利回り2.4%

年利回り4.2%なら、72÷4.2%≒17年
で2倍になります。

・115の法則
一括投資で元本を3倍にする計算方法に「115の法則」があります。

115の法則・・・年数×年利回り(%)=115

30年間運用するなら、年利回りは、
115÷30年≒3.8%
年4%なら、
115÷4%≒29年

◆積立投資・一括投資、どれを選べばよい?

 積立投資か、一括投資かで使う法則が違います。では、積立投資と一括投資どちらがよいのでしょうか?投資は、「積み立て・長期・分散」で価格変動等のリスクを分散することができますが、一方で、積立投資は一括投資よりも目標金額まで貯めるには、通常時間がかかるデメリットがあります。
 そのため、いつ・資金が必要なのか、事前に計画を立てる=ライフプランを描くことが不可欠です。資金が必要な時期に必要な資金が確保できるよう、投資は積み立てだけ・一括だけでなく、組み合わせるとよいでしょう。

◆出口を考えておく

 必要な資金を使う時期(ゴール)がくれば、解約が必要です。その時に、元本割れをする可能性もありえます。出口を考えておくことも、あわせてやっておきましょう。

◆まず、ざっくり・スピーディーに計算

 まず、目安でよいので、ざっくり・スピーディーに計算できると、現場でも話がわかりやすくなります。数字は、必要な時に、スピーディーにどのくらいか計算できると、その後の意思決定や行動がスムーズにできます。そのためには、ざっくりでいいので、目安がわかることが大切です。

是非、便利なツールを味方につけましょう!

アドバイザー/中島 典子 税理士
社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会 CFP®認定者・1級ファイナンシャルプランニング技能士)
公益財団法人日本数学検定協会 ビジネス数学インストラクター、住宅ローンアドバイザー
一般社団法人相続診断協会 相続診断士
【主な著書(共著含む)】
『会社が知っておきたい 補助金・助成金の申請&活用ガイド』(大蔵財務協会)
『ムダなく、ムリなく、かしこく 資産づくりのキホン』(清文社)
『定年前後の手続きガイド』(宝島社)、『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)など多数。

PAGE TOP