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国交省 持続的な経済成長の実現に向け令和6年度税制改正を要望  

2023/08/30

 国土交通省は8月24日、令和6年度税制改正要望事項を公表した。

 同省では、(1)持続的な経済成長の実現、(2)豊かな暮らしの実現と個性をいかした地域づくり、(3)災害に強く安全で安心な社会の実現という3つの柱の実現に向けて令和6年度の要望をまとめている。

 (1)持続的な経済成長の実現では、土地に係る固定資産税について、現行の負担調整措置および市町村等が一定の税負担の引下げを可能とする条例減額制度の3年間延長を求めた。

 その背景について同省は、「足元の経済はコロナ禍前の水準まで回復しておらず、物価上昇の影響なども懸念。経済回復の歩みを着実なものにしていくことが重要」、「令和6年度は固定資産税「評価替え」により引き続き税負担は増加」、「仮に負担調整措置等が縮小・廃止となれば、都市部の商店主や製造業をはじめ、広く国民の負担が大幅に増加し、経済回復に大きく影響」するとしている。

 また、土地等に対する需要を喚起することにより、土地等の流動化・有効利用を促進し、経済回復を着実に進めていくため、①宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例措置(1/2控除)、②土地等の取得に係る不動産取得税の税率の特例措置(特例3%、本則4%)の特例措置の3年間延長を要望した。

 (2)都市の魅力の向上と活力ある地域づくりでは、まちづくりGXの推進に向けた都市緑地保全の更なる推進のための特例措置の創設(所得税・法人税・登録免許税・印紙税・不動産取得税・固定資産税等)を求めた。

 まちづくりGXとは、気候変動対応や生物多様性の確保、Well-beingの向上に対して大きな役割を有している都市緑地の多様な機能の発揮および都市におけるエネルギーの面的利用の推進を図る取組みのこと。

 国際的、国家的に気候変動への対応や生物多様性の確保や、Well-beingの向上などが求められる中、 都市において緑地保全の重要性が高まっており、開発可能性の高い都市部で緑地保全を図るには、強力な行為制限を課す「特別緑地保全地区」などの適切な確保・拡大が必要となっている。しかし、地方公共団体等においては、財政や体制上の制約等により、必要な土地の買入れの遅れや管理不全による緑地の荒廃等の課題が顕在化している。

 そこで、「特別緑地保全地区」などに関して「量」・「質」の両面からの抜本的な取組強化に向けて、安定的な財源と専門的知見を基に、土地の買入れや緑地の機能増進について、全国一元的に担う公益団体の事業の円滑化を図ることを求めている。具体的には、国指定法人に対して土地を譲渡した場合、土地の譲渡所得から2000万円の特別控除を認めることを要望した。

 国土交通省の令和6年度税制改正要望事項はこちら

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