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教育資金贈与の終了でどうなる?  押さえておきたい実務上の留意点

2026/06/18

 令和8年度税制改正では、個人の資産移転に関わる制度の見直しが行われました。なかでも、教育資金の一括贈与の終了など、子や孫への贈与に影響する改正が含まれています。これらの改正ポイントを踏まえながら、贈与における注意点を整理します。

■「教育資金の一括贈与」は終了に

 令和8年度税制改正では、子や孫への1500万円までの贈与が非課税となる「教育資金の一括贈与」は、令和8年3月31日で延長せずに終了となりました。ただし、同日までに拠出された教育資金贈与については、引き続き適用できます。

 教育費のための高額な贈与特例である「教育資金の一括贈与」はなくなりましたが、扶養義務者相互間の贈与、暦年課税、相続時精算課税を活用することで、贈与税がかからない方法は引き続き利用できます。

 たとえば扶養義務者相互間の贈与で入学金や授業料、塾や習い事等の費用を必要な都度祖父母に直接払ってもらう方法、あるいは暦年課税や相続時精算課税で年間110万円の基礎控除や累計2500万円までの非課税枠を活用する方法があります。これらは「教育資金の一括贈与」と異なり、使途を教育費に限定せずに活用することができます。

■今後注意したい点

 令和8年度税制改正では、令和9年から以下の見直しが盛り込まれています。

〇貸付用不動産の評価の見直し…5年以内に取得・新築した貸付用不動産については、時価評価。
〇不動産の小口化商品の評価見直し…取得時期にかかわらず、時価評価。

 不動産は物件によっては将来大きく値が下がることもあります。早目の対策に加え、しっかりと物件を見ることも重要といえます。なお、詳細はこれからになりますので、今後の動向に注意しましょう。

■贈与する前のチェックポイント

 子や孫へ贈与するときは、「何のために」「何を贈与する」のかを明確にして、使える特例はないか、贈与税がかかるのか(いくらかかるのか)を事前にチェックすることが大切です。

 特例には要件があります。中には、「18歳以上」という年齢要件がありますが、18歳は贈与した年の1月1日現在の年齢で判定されるものもあります。「年齢に達していなかった」ということのないように注意が必要です。

■子や孫が使える贈与税の制度

 子や孫が使える贈与税の主な制度をまとめてみました。親や祖父母からの大切なお金ですから、目的に合わせて使える制度を上手く活用したいところです(表2参照)。

■贈与における注意点

・贈与をするのであれば、親や祖父母の名義預金や定期贈与契約をしたとみなされないよう、贈与の事実関係を明確にしておくことが重要です。
・贈与税は相続税とセットで考える必要があります。年間110万円以内の贈与で贈与税がかからない場合でも、生前贈与加算により相続開始前3年~7年以内の贈与は、贈与した親や祖父母の相続財産に加算されることがあります。贈与するなら早目に検討することも大切です。
・税制改正で制度が変更になることも少なくありません。贈与する時には、必ず制度の確認をしましょう。条件が変わって使えないこともあります。

解説/中島典子 税理士

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