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日商 7年度税制改正で「スマート青色申告制度」(仮称)の創設求める

2024/10/03

 日本商工会議所はこのほど、「令和7年度税制改正に関する意見」を取りまとめて公表した。

 意見書では、日本経済がデフレからの完全脱却を実現し得る好機を迎えているなか、多くの中小企業が、昨今の原材料・エネルギー価格の高騰、人手不足に伴う防衛的な賃上げ、価格転嫁の遅れによる収益圧迫などにより、構造的・持続的な賃上げや新たな成長投資の原資を十分に確保できていない状況にあることを指摘。

 そのため、経済の好循環を生み出す原動力である中小企業が、サプライチェーン全体で得た成長の果実を得るとともに、自己変革による生産性・付加価値向上により、賃上げ原資の獲得に繋がる力(稼ぐ力)を身に付ける必要があり、こうした中小企業の「稼ぐ力」の強化を税制面から強力に後押しすべきであると主張している。

 具体的には、「中小・中堅企業の「稼ぐ力」の強化に向けた税制」として、中小企業経営強化税制の延長・拡充(控除率の引上げ・対象設備の拡充等)や中小企業投資促進税制の延長、特例措置の延長・拡充などを求めた。

 また、「円滑な経営承継・事業継続に資する税制」として、事業承継税制の恒久化や事業承継税制における役員就任要件(3年間)の撤廃・見直しなどを要望。

 そのほか、「わが国のビジネス環境整備等に資する税制」として、スマート青色申告制度(仮称)の創設を要望。個人事業主の約4割が白色申告であること、また、売上高1千万円以下の小規模事業者の5割弱が帳簿作成などの経理事務を手書きで行っていることなどを踏まえ、こうした層の記帳水準を向上させるため、個人事業主のデジタル化へのインセンティブ措置として、①デジタルツールで記帳・帳簿作成を行い、かつ、②e-Tax で申告を行う者に対して「スマート青色申告制度」(仮称)を創設し、次のようなインセンティブ措置を講じることを求めている。

・「スマート青色申告特別控除」(仮称)の創設(現行の青色申告特別控除(最大65 万円)を深堀り)

・青色申告の個人事業主に対する純損失の繰越期間(3年間)の延長

 今後、日本商工会議所では、内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣をはじめ政府・政党など関係各方面に提出するなど、要望の実現に向けて関係各所に働きかけを行っていくとしている。

 日本商工会議所の「令和7年度税制改正に関する意見」はこちら

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