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「経営者保証に関するガイドラインの実態調査」を公表

2018/07/06

 金融庁はこのほど、「経営者保証に関するガイドラインの実態調査」を公表した。

 「経営者保証に関するガイドライン」は、経営者の個人保証について、①法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと、②多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等を残すことや「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること、③保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること――などを定めることにより、経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や早期事業再生等を支援している。

 今回の実態調査では、ガイドラインの活用上で考えられる「ガイドラインの要件判断の状況」、「事業承継時におけるガイドラインの活用状況(二重徴求)」、「信用保証と経営者保証の関係」などについて、地域銀行12行の協力を得て、無保証割合等が比較的に高いまたは低い金融機関の状況について、個別の取引データ等を受領した上で、対話を行い、その結果を明らかにしている。

 まず、「ガイドラインの要件判断の状況」では、①法人と経営者との関係の明確な区分・分離、②財務基盤の強化、③適時適切な情報開示という3要件を満たす場合、経営者保証を求めない可能性を検討。その結果、無保証融資割合が高い金融機関と低い金融機関では、ガイドラインの要件の判断状況において「法人と経営者との関係の明確な区分・分離」、「財務基盤の強化の判断」について大きな差が見られた。

 こうした相違の背景として、無保証融資割合が低い金融機関は、ガイドラインの要件を形式的・厳格に判断して運用しており、一方の無保証融資割合が高い金融機関は、経営トップが、むやみに保証を徴求しないよう指導を徹底する方針を定めるほか、現場担当者が保証徴求の要否を簡易に判断できるように本部で具体的・簡素な運用基準の設定に取り組んでいる点を挙げている。

 次に、二重徴求について見ると、新経営者に対する保証徴求割合は、各行によりバラつきはあるものの、おおむね高い傾向を示しており、旧経営者に対する保証徴求割合が低いほど、二重徴求の割合が低い傾向があることが分かった。二重徴求の割合が高い先と低い先の組織的な取組みを比較すると、二重徴求の割合が高い金融機関は、行内規定が不十分であるなど、二重徴求解消に向けた具体的な取組みが行われていなかった。一方、二重徴求の割合が低い金融機関は、経営トップ主導のもと、①二重徴求解消に向けて、二重徴求の原則禁止や事業承継時の具体的な徴求基準の明確化、②新・旧経営者双方に対する説明や保証解除に向けたアドバイスを実施、③一部の金融機関は二重徴求後も定期的にフォローしていることが分かった。

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