ふるさと納税の発展目指し、全国27自治体が連合設立
2017/05/23
福井県の西川一誠知事の呼びかけで、福井県や岩手県、山形県など全国27自治体による「ふるさと納税の健全な発展を目指す自治体連合」の設立総会が5月16日に都道府県会館(東京・千代田区)で開催された。
ふるさと納税制度は、福井県が提唱し、平成20年度税制改正によって創設された。以来、ふるさと納税を通じて寄せられた資金は、子育てや教育、まちづくりなどに活用され、地域の活性化に資するとともに、災害時における被災地への支援としても役立っている。
その一方で、ふるさと納税に係る返礼品について、一部の自治体で高額・高級すぎるものが見られるなど、自治体間の競争が過熱している状況を受け、総務省は全国の自治体に対して平成29年4月1日付で「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」を通知したところだ。
こうした状況を受け、今回設立された自治体連合では、「平成27年度においても、ふるさと納税制度の利用者は個人住民税納税者の2%程度であり、受付受入額が1千万円に届かない自治体も約半数にのぼる。ふるさと納税制度は、まだ発展途上の仕組みである」と指摘。
そして、「現在、自治体の寄付者への返戻品が注目を集めているが、そのうち一部の事例をもって制度変更や規制を議論するよりも、今はふるさと納税制度の理解者を増やし、制度利用のすそ野を広げることが必要である」としている。
今後、自治体連合では、ふるさと納税制度を知恵と工夫をもって活用し、地域の活性化に繋げるほか、寄付の使い道や効果などの情報提供、地方と都市が共に発展する制度となるよう運用改善に努めていく方針だ。