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令和元事務年度 法人税の実地調査は22.9%減少 申告漏れ7802億円

2020/12/09

 国税庁はこのほど、令和元事務年度法人税等の調査事績の概要を公表した。

 それによると、資料情報等の分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度が高い法人7万6千件(前年対比77.1%)について実地調査を実施したところ、法人税の非違があったのは5万7千件(同77.7%)、その申告漏れ所得金額は7802億円(同56.5%)、追徴税額は1644億円(同84.6%)だった。

 また、申告内容に誤りなどが想定される納税者などに対し、簡易な接触により、自発的な申告内容などの見直し要請を4万4千件(同102.4%)に実施。その結果、申告漏れ所得金額は42億円(同96.6%)、追徴税額は27億円(同68.7%)。

 法人消費税については、7万4千件(同77.4%)の実地調査を行い、このうち消費税の非違があった法人は4万4千件(同78.6%)、追徴税額は723億円(同90.4%)だった。

 主な取組みとして国税庁では、無申告法人を的確に管理するとともに、稼働無申告法人に対する調査を重点的に行っている。令和元事務年度においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人に実地調査を実施し、法人税63億7200万円(同83.9%)、消費税52億7500万円(同79.5%)、合わせて116億4700万円(同81.8%)を追徴課税した。このうち、稼働している実態を隠し、意図的に無申告であった法人に対して法人税41億4500万円(同95.6%)、消費税18億8500万円(同87.3%)を追徴課税した。

 海外取引法人等については、国外送金等調書をはじめとした資料情報等から選定し、租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査を実施。令和元事務年度は、実地調査を1万3116件(同83.8%)実施したところ、3636件(同83.3%)において海外取引等に係る非違があり、申告漏れ所得金額を2411億円(同34.6%)把握した。

 そのほか、虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得ていると認められる法人を的確に選定し、厳正な調査を実施。令和元事務年度は、消費税還付申告法人のうち5838件(同89.1%)に実地調査を行い、消費税213億円(同121.8%)を追徴課税した。また、そのうち707件(同85.3%)は不正に還付金額の水増しなどを行っており、25億円(同52.9%)を追徴課税した。

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