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令和元年分国外財産調書 提出1万652件、総財産額は4兆2554億円

2021/02/03

 国税庁はこのほど、令和元年分(令和元年12月31日時点、提出期限は令和2年4月16日)の国外財産調書の提出状況を公表した。国外財産調書の提出制度は、平成26年1月(平成25年12月31日分)から施行され、今回で7年目の集計となる。

 令和元年分の国外財産調書の提出件数(令和元年6月末までに提出されたもの)は1万652件。前年分の9961件より691件の増加となった。国税局別の提出件数は、東京局6771件(63.6%)、大阪局1582件(14.9%)、名古屋局774件(7.3%)、その他1525件(14.3%)となっている。

 総財産額は4兆2554億円で、前年分3兆8965億円より3589億円の増加となった。国税局別に見ると、東京局3兆953億円(72.7%)、大阪局6013億円(14.1%)、名古屋局2193億円(5.2%)、その他3394億円(8.0%)。
 
 財産を種類別に見ると、「有価証券」が最も多く2兆4232億円(56.9%)。次いで、「預貯金」5948億円(14.0%)、「建物」4510億円(10.6%)、「貸付金」1957億円(4.6%)、「土地」1536億円(3.6%)、「それ以外の財産」4375億円(10.3%)となっている。

 なお、国外財産調書は、自主的に自己の情報を記載して提出するため、適正な提出を確保するために次のようなインセンティブ措置等が設けられている。

① 加算税の軽減措置・・・提出された調書に記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を軽減(▲5%)
② 加算税の加重措置・・・調書の提出がない場合又は提出された調書に記載のない国外財産に係る所得税の申告漏れが生じたときには、加算税を加重(+5%)
③ 国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示等がない場合の加算税の軽減措置又は加重措置の特例・・・国外財産に係る所得税または国外財産に対する相続税の調査に関し修正申告等があり、加算税の適用のある人が、その修正申告等の日前に、国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用または処分に係る書類(電磁的記録や写しを含む)の提示または提出を求められた場合に、その日から60 日を超えない範囲内で、提示等の準備に通常要する日数を勘案して指定された日までに提示等がなかったとき(提示等をする方の責めに帰すべき事由がない場合を除く)は、「上記①の加算税の軽減措置は適用しない」、「上記②の加算税の加重措置については、加算割合を5%から10%とする」。
 
※この取扱いは、令和2年分以後の所得税または令和2年4月1日以後に取得した相続国外財産に対する相続税について適用される。
④ 罰則の適用・・・正当な理由なく期限内に提出がない場合又は虚偽記載の場合に、1年以下の懲役または50 万円以下の罰金

 国外財産調書の提出者および提出を要すると見込まれる者に対する令和元事務年度(令和元年7月~令和2年6月)における所得税および相続税の実地調査の結果、①の軽減措置を適用したのは214件、増差所得等金額は51億2588万円。②の加重措置を適用した件数は475件、増差所得等金額は112億8924万円だった。

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