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令和4事務年度の法人税調査 『簡易な接触』を6万6千件に実施

2023/12/07

 国税庁はこのほど、令和4事務年度法人税等の調査事績の概要を公表した。

 それによると、資料情報と提出された申告書などの分析・検討を行った結果、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度が高い法人6万2千件(前年対比152.3%)について実地調査を実施したところ、法人税の非違があったのは4万7千件(同148.8%)、その申告漏れ所得金額は7801億円(同129.4%)、法人税と消費税の追徴税額は3225億円(同139.8%)だった。

 また、申告内容に誤りなどが想定される納税者等に対して、税務署において書面や電話による連絡や来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請する「簡易な接触」を行っているが、令和4事務年度においては自発的な申告内容等の見直し要請を6万6千件(同99.3%)実施。その結果、申告漏れ所得金額は78億円(同88.8%)、追徴税額は71億円(同68.0%)となっている。

 法人消費税については、6万1千件(同152.2%)の実地調査を行い、このうち消費税の非違があった法人は3万5千件(同144.3%)、追徴税額は1357億円(同156.2%)だった。

 主な取組みとしては、虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得ていると認められる法人を的確に選定し、厳正な調査を実施。令和4事務年度は、消費税還付申告法人のうち5810件(同136.6%)に実地調査を行い、消費税563億円(同151.5%)を追徴課税した。また、そのうち931件(同117.7%)は不正に還付金額の水増しなどを行っており、138億円(同123.5%)を追徴課税した。


 また、国税庁では、無申告法人に対して資料情報の収集・活用を図り、積極的に調査に取り組んでいる。令和4事務年度においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人に実地調査を実施し、法人税94億7600万円(同104.6%)、消費税105億4400万円(同128.1%)、合わせて200億2000万円(同115.8%)を追徴課税した。このうち、稼働している実態を隠し、意図的に無申告であった法人に対して法人税60億5900万円(同95.8%)、消費税46憶6800万円(同128.3%)を追徴課税した。

 そのほか、海外取引法人等については、国外送金等調書をはじめとした資料情報等から選定し、租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査を実施。令和4事務年度は、実地調査を1万394件(同155.7%)実施したところ、2422件(同138.2%)において海外取引等に係る非違があり、申告漏れ所得金額を2259億円(同140.2%)把握。そのうち不正によるものは134億円(同123.9%)だった。

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