企業版ふるさと納税 新たに142事業を認定 全体事業費は195億円
2017/04/06
内閣府はこのほど、平成28年度第3回の地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の対象事業として142事業を認定した。全体の事業費は195億円。
企業版ふるさと納税とは、企業が自治体に寄付をすると税負担が軽減される制度。自治体の実施する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に企業が寄付をすると、寄付額の約3割が税額控除される仕組みだ。地方創生、人口減少克服といった国家的課題に対応するため、地方公共団体が行う一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことにより、地域創生を活性化する狙いがあり、平成28年度に開始された。
対象となる事業分野は、「しごと創生」(地域産業振興、観光振興など)、「地方への人の流れ」(移住・定住の促進など)、「働き方改革」(少子化対策、働き方改革など)、「まちづくり」(コンパクトシティなど)の4つ。今回認定された対象事業を見ると、「しごと創生」が108事業と最も多く、「地方への人の流れ」17事業、「働き方改革」12事業、「まちづくり」5事業となっている。
特徴的な事業例としては、福島県いわき市の「いわきツーリズム魅力発信事業」(観光振興)では、観光地としての認知度を高めイメージ向上を図るため、市周遊のモニターツアーを実施するとともに、観光のハイシーズンである夏季にシャトルバスを運行し、市に点在する観光施設をつなぐことで周遊観光を促進する(29年度事業費1000万円、総事業費3000万円)。
鹿児島県肝付町の「スペースサイエンスタウンの実現に向けた地域再生プロジェクト」(地域産業振興)では、ロケットの発射場を有しているという優位性を活かし、民間企業関係者・大学関係者の滞在施設を整備するとともに、宇宙をテーマにしたイベント等を実施することにより、「宇宙の町」として、観光客等の交流人口の増加、宇宙関連産業の振興による雇用の創出を図る(29年度事業費1440万円、総事業費4320万円)。
兵庫県西脇市の「金ゴマを核とした地域振興プロジェクト」では、地域ブランド化を進めている金ゴマの生産者確保及び生産拡大を図るため、生産者団体が行う障害者就労支援施設との農福連携及び農業ボランティア等を活用した生産振興に対して補助を行う(29年度事業費80万円、総事業費159万6000円)。
そのほか、静岡県富士宮市の「コンビニと連携したベビーステーションの普及と母力応援プロジェクト」(少子化対策)、群馬県下仁田町の「ねぎとこんにゃく下仁田奨学金事業~金融機関と連携した教育制度の充実施策~」(人材の育成・確保)、鹿児島県徳之島町の「コワーキングスペースを拠点とした離島発しごと×学び×暮らしのカタチづくり計画」(働き方改革)などがある。
なお、平成29年度第1回は平成29年4月に申請受付を行い、6月中に認定予定。第2回の申請受付は平成29年9月頃、第3回の申請受付は平成30年1月頃を予定している。