会計検査院 税金の無駄遣い297億円を指摘
2020/11/13
会計検査院はこのほど、令和元年度決算検査報告を公表した。それによると、省庁など総額は税金の無駄遣いや改善を求める指摘件数は248件で、前年度335件から87件の減少。指摘金額は297億2193万円となり、前年度の約1002億円から大幅な減少となった。新型コロナウイルスの感染拡大により検査の大幅な縮小を余儀なくされた格好だ。
指摘金額を省庁・団体別に見ると、国土交通省が約101億円で最も多かった。次いで、外務省の約57億円、厚生労働省の約43億円と続いた。
また、財務省への検査では、49税務署において、納税者86人から租税を徴収するに当たり、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、これを見過ごしたり、法令等の適用の検討が十分でなかったりしたため、徴収額の不足が計1億7163万円(85事項)、過大が668万円(1事項)だったことを報告。これらの徴収不足額および過大額はすべて徴収決定や支払決定の処置が執られている。なお、法人税の徴収不足の事例が紹介されている。
<事例> 受取配当金の益金不算入の対象とならない証券投資信託の収益の分配金を受取配当等の益金不算入の対象としていた事態
A会社は、28年7月から29年6月までの事業年度分の申告に当たり、非支配目的株式等に係る受取配当等の額を1億4141万円として、同金額の20/100相当額2828万円を受取配当等の益金不算入額としていた。
だが、この受取配当等の額には、受取配当等の益金不算入の対象とならない証券投資信託の収益の分配金が含まれていたことなどから、当該事業年度分の所得の金額が過小となっているのに、これを見過ごしたため、法人税額661万円が徴収不足になっていた。